シリア軍の包囲網のなかで住民は霞を食べている?
ダラヤの住民は包囲下に置かれた当初から、たとえ土地は限られていても、自分たちで栽培できる作物はなんでも育てる覚悟を決めていた。地元の議員によると、ダラヤではどの家庭でも、作物を栽培できそうなスペースがあれば隈なく耕し、小麦やホウレンソウを育てている。
政府軍からの度重なる砲撃に見舞われた住民は、燃料を確保するため、ありあわせの資源で作れる燃料の開発にも取りかかった。ジャーナリストのアブドゥル・ハミト・アルダラニによると、ダラヤでは石油の供給が遮断されて以来、住民がプラスチック製品を溶かして抽出した自家製の油(通称「ミクスチャー」)を、機械や電化製品の燃料として使用する動きが広がっている。
生産にはプラスチックを燃やすだけ。ディーゼルや石油、産業用の潤滑油などが抽出できる。品質は悪くないが、一つ間違えば爆発しかねない。
現地を取材したジャーナリストのアイハム・アルオマンは、そうした小さなプロジェクトを通じて人々が仕事に戻り、地域経済が動き出せば、包囲下の厳しい生活のなかでも活気を取り戻せると強調した。政府軍から兵糧攻めを受け、爆弾も落ちてくるという理不尽な状況下でも、人は努力する。だがそれにも、限度がある。
This article first appeared on the Atlantic Council website.
Hosam al-Jablawi is a Syrian citizen journalist.