三菱自、燃費不正の先行き見えず、グループからの支援は難航も
「(支援がまとまった)10年前さえ、三菱重の株主総会では、三菱自に対する出資に異論が相次ぎ、総会が紛糾した。いまはガバナンスの考え方がさらに進化している」。さらに別のグループ企業の幹部社員も「三菱自への新たな支援は厳しい」と語る。
行政当局の厳しい対応も
石井啓一国土交通相は22日の会見で、三菱自に対して「長年積み上げてきた日本ブランドに対する信頼・信用を失墜させ、ユーザーに対しても多大な迷惑をかけた。猛省を促したい」と語り、買い取りも含めてユーザーへの「誠実な対応」を要請した。21日には菅義偉官房長官が「極めて深刻な事案。厳正に対応する」と述べ、行政処分の可能性を示唆した。
米高速道路交通安全局(NHTSA)も22日、ロイターの取材に対し、米国で販売した車両に関する情報を提出するよう三菱自に求めたことを明らかにした。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は22日、三菱自の長期会社格付けを現在の「ダブルBプラス」から引き下げる方向で検討する「クレジット・ウォッチ」に指定したと発表した。三菱自の株価は燃費不正の発表から3日間で41.6%の急落となっており、今後は株主からの訴訟も懸念されている。
(白木真紀、布施太郎 取材協力:宮崎亜己 編集:北松克朗)