中国自動車メーカー大手の上海汽車、インド市場進出に本腰
GMの工場買収も含め3年以内の工場設立で本格参入へ
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4月6日、中国の自動車大手、上海汽車(SAIC)と長城汽車が国内市場の低迷を背景に、成長著しいインド市場に初めて本格的な進出を試みようとしている。写真はSAICのロゴ。上海で2013年1月撮影(2016年 ロイター/Aly Song)
中国の自動車大手、上海汽車(SAIC)<600104.SS>と長城汽車<601633.SS>が国内市場の低迷を背景に、成長著しいインド市場に初めて本格的な進出を試みようとしている。
ただ、10年以上前から進出している独フォルクスワーゲン、米フォード・モーター、米ゼネラル・モーターズなどの世界大手でさえ、価格に敏感なインド市場での販売拡大には苦心している。インドでは中国メーカーは品質が悪いとのイメージも持たれており、環境は厳しそうだ。
上海汽車と長城汽車は基本装備の廉価なスポーツ用多目的車(SUV)で売り込みを図りたい意向だが、既にこの分野で東南アジア市場を制するスズキ<7269.T>や韓国の現代自動車<005380.KS>との戦いを強いられる。
とはいえ、インドは残り少ないフロンティア市場の1つで、2020年までに世界第3位の自動車市場に躍り出ると期待されている。年間の販売台数は2015年の270万台から2倍以上の500万台に達する見通しだ。
上海汽車と長城汽車はそれぞれ西インドのマハラシュトラ州政府と、自動車生産拠点であるプネー市での工場設立を協議している。同州の産業大臣がロイターに明らかにした。関係筋によると、上海汽車は3年以内の工場設立を目指している。
複数の関係筋によると、上海汽車はまたグジャラート州ハロルにあるGM工場の買収も協議している。GMは「ハロル工場については売却を含めて数多くの選択肢を検討中」との声明を出している。
またインドの業界筋によると、長城汽車の幹部12人が2月、インド自動車博覧会に出席し、市場調査のほか、ディーゼルエンジンや排気についての政府方針を確認していた。
証券取引所への開示資料によると、同社の取締役会は3月7日、全会一致でインド子会社の設立を支持した。