「世界の工場」中国に淘汰の兆し
2016年3月2日(水)10時52分
東莞市にある工業区の一部の労働者の話からは、労働争議やストが起きる可能性の高まっていることがうかがえる。
「給料を払ってもらえなかった何人かの友人が、政府は何も助けてくれなかったと言っているのを聞いた」と、同市の自動車工場で働く労働者は休憩中にタバコを吸いながら、こう答えた。「政府は役立たずだ」
中国の指導部にとって本当の課題は、そのような失われた製造業の「生態系」の末端に取って代わるため、彼らが奨励しようとしているバイオテクノロジーやロボット工学などの分野で新たな仕事を十分に創出できるかどうかだ。
「一般的に、雇用状況は流動的だ。工場が閉鎖される一方で、新たな製造分野で機会は生まれているが、問題はこれらの仕事が持続可能かということだ」と、労働者の権利を擁護する監視団体「中国労工通報」のジェフリー・クロソール氏は指摘する。「多くの新興企業が失敗しており、そうした企業が提供する仕事はたいてい賃金が低いか、まともな労働条件ではなかったりする」
(James Pomfret記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
[東莞市(中国) 29日 ロイター]
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