パレスチナ人の一斉蜂起「インティファーダ」は防げるか
2016年2月3日(水)16時00分
自治政府のハマドはこうした見方に異を唱える。弱腰に見えるのはアッバスの戦略で、国連、アメリカ、EU、ロシアなどをはじめ、影響力を持つ国際機関や国を説得して、西岸での新たな入植地建設と既存の入植地での住宅建設を中止するようイスラエルに圧力をかけさせるのが狙いだと主張する。「イスラエルが今後も入植凍結を拒否し、合意内容の履行を尊重しないなら、国際社会も介入せざるを得なくなるはずだ」
「パレスチナ人の中でも合理的な考え方の持ち主にとって、アッバスは最善の選択肢」だと、あるパレスチナ治安部隊幹部は匿名を条件に語った。「100%支持されているわけではないことは本人も自覚している。ただ、責任ある指導者の役目というのは人々をAという地点からBという地点へ連れて行くことだ。たとえ、AよりBのほうがいいことを人々が理解していなくても、だ」
今後、暴力はエスカレートしそうだとPSRのハリル・シカキ所長はみている。どの程度悪化するかは、イスラエルとの抗争だけでなく、パレスチナ自身の内部抗争の行方次第かもしれない。
[2016年2月 2日号掲載]
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