中国の党と政府のメディアがSMAP解散騒動を報道する理由
新華網がこのような記事を載せたものだから、他のウェブサイトもつぎつぎに転載し、中国のネット空間は一時炎上した。
「人民日報」の姉妹版「環球時報」のウェブサイト「環球網」
2016年1月21日11:31、環球網は「大騒ぎした後に、結局解散しない」という見出しで報道している。
「人民網」の姉妹版なので、内容は人民網と同じだ。
中共中央機関紙の一つ「光明日報」のウェブサイト「光明網」
中国には、中華人民共和国が誕生する前の1949年6月16日に創刊された「光明日報」という新聞がある。現在では中国共産党中央委員会(中共中央)の機関紙の一つで、中宣部(中共中央宣伝部)が管轄している。
そのような新聞のウェブサイト「光明網」までが、SMAP解散騒動と謝罪に関して「安心して、smapは解散しないよ」という記事を発表。「蘭州晩報(蘭州夕刊)」の転載だ。
内容はほぼ同じなうえに長いので省くが、瞬間最高視聴率は37.2%を越えたという、日本の情報を報道している。
中央テレビ局CCTVまでが
中共中央管轄下のウェブサイトがすべて一斉に報道しているので、もちろん同じ管轄下の中央テレビ局CCTVも例外ではない。全国向けの放送の中でSMAP解散劇を扱った。
直接のURLを示したいのだが、探し出すのが困難だったので、中国のツイッターである「微博(ウェイボー)」の中にある画像をクリックして頂きたい。左上に「CCTV13」という文字があり、真ん中に△が横になった印がある動画があるので、その△をクリックして頂ければCCTV13(新聞チャンネル)を視聴することができる。ベージュ色の服を着た女性が映っている画像だ。
これにより、中国の党と政府という、国中が国家として報道したということになる。
なぜ、国家が?
日本人としては、「あの反日歴史闘争で先鋭化している中国がなぜ?」という疑問を持ってしまうだろう。
しかし、冒頭に紹介した「人民網」の記事を書いた記者の筆名「小新」にもある通り、1980年以降に生まれた中国の若者で、日本のアニメや漫画を見ないで育った者はいないと言っても過言ではないほど、日本の動漫(動画+漫画)に魅せられて育っている。
日本のサブカルチャーへのあこがれは、動漫に留まらず、映画やテレビドラマ、そして何よりも日本のアイドルへの熱気には尋常でないものがあった。
中でも「天団」という言葉まで生んでしまった日本の「トップアイドルグループ」SMAPへの人気は飛びぬけていた。