中国の党と政府のメディアがSMAP解散騒動を報道する理由
SMAPの北京コンサートを観に来たファン(2011年) China Daily-REUTERS
SMAPの解散と撤回発言に関して、中国共産党の機関紙や中国政府通信社などのウェブサイトが言及し、中央テレビ局CCTVも放映。温家宝元首相が日中和解の手段に使ったほど中国の若者のSMAP人気は高いが、あの反日国家がなぜ?
中国共産党機関紙「人民日報」のウェブサイト「人民網」
まずは中国共産党機関紙「人民日報」のウェブサイト「人民網」が書いた記事。
1月20日08:11に、「人民網」が「日本のSMAP、5人揃って謝罪 結局解散しないことに」という見出しで記事を掲載。そこには日本のメディアの「生放送」という文字付の画面が二つ、大きく貼り付けてある。
一つは5人が揃って生番組で謝罪する場面で、もう一つは木村拓哉が一人大写しになっている画面だ。
おおむね以下のように解説している。
――日本の報道によれば、分裂騒ぎを起こしたSMAPの5人が、1月18日に放送する《SMAP × SMAP》という番組の中で、ナマ出演し、解散に関して説明をした。SMAPは今後も存在すると表明し、木村拓哉がファンに心配をかけたことを詫びた。そしてこれからもともに前に向かって進んでいくと言った。
記事は続けてメンバー一人一人の発言を紹介しているが、日本で報道されたままなので省略する。
この記事を書いた記者の筆名が「小新」。これは「クレヨンしんちゃん」の「しんちゃん」を表す中国語だ。「チャン」に相当する言葉はないので、一般に前に「小」という文字を付けて表す。
日本のアニメを見て育った、「80后(バーリンホウ)」(1980年以降に生まれた世代)以降の生まれであることが、この筆名からわかる。
中国政府の通信社「新華社」のウェブサイト「新華網」
つぎに1月21日10:31:20に公開された「新華網」の場合を見てみよう。見出しは「SMAPは謝罪会見したあとも紛争が絶えない 木村拓哉と4人の関係が悪化」である。
もともとのニュースソースは「騰訊娯楽」だ。
概ね、以下のことが書いてある。
―― 日本の「天団(トップアイドルグループ)」SMAPの解散騒動に関しては、たしかに一応幕を下ろしたものの、しかし今週月曜日(1月18日)に行った謝罪生放送で紛争が収まったとは言えないようだ。隊長の中居正広と木村拓哉との仲がさらに悪化したと言われている。ある(日本の)記者は、「もともとは中居に最初に発言させて、(ジャニー)喜多川社長に謝罪する機会を作ってくれた木村に感謝の言葉を述べさせることになっていたのに、中居がそれを拒否したので、結果、草なぎ剛が代弁することになったのだ」という。おまけに当日、木村だけは一人で一つの控室を使い、他の4人が一緒にもう一つの控室を使ったとのこと。また、一部のファンがネット上で署名活動を呼び掛け、ジャニーズ事務所の(メリー)喜多川副社長に辞職しろと要求している。日本政府はSMAPに国民栄誉賞を与えようとしていたが、解散騒動により取り消したようだ。