法王訪問中のアフリカ貧困地域にテロ予備軍4100万人
サハラ砂漠の南側「サヘル」地域の国々では貧困と絶望が蔓延している
反テロ宣言 「神の名の下に憎しみと暴力を行うことは許されない」と法王は語った Daniel Dal Zennaro-REUTERS
アフリカ歴訪中のローマ法王(教皇)フランシスコは、ケニアで宗教指導者と会談し、若者が過激主義に走り「野蛮な攻撃」を行っていると非難した。近年ケニアでは、武装グループによるテロ攻撃が頻発している。
法王のアフリカ歴訪は今回が初めてで、ケニアの他、ウガンダと中央アフリカ共和国も訪問する予定になっている。
ケニアの首都ナイロビで、地元のイスラム教、キリスト教などの宗教指導者と会談した法王は、武装闘争の思想を宗教で正当化しようとするテログループを非難した。「憎しみと暴力を正当化するために神の名を使うことは許されない」と語った。
最近ケニアは、イスラム原理主義を掲げる隣国ソマリアの過激派組織アルシャバブから度重なるテロ攻撃を受けている。アルカイダとも繋がりがあるアルシャバブは、ソマリアでの同グループの反乱を鎮圧するアフリカ連合の活動にケニアが参加したことから、ケニアでのテロ活動を開始した。今年4月に、ケニア東部のガリッサ大学に過激派が侵入し、学生ら約150人が殺害された事件でも、アルシャバブが犯行声明を出している。
識字率36%、サヘル地域の暗闇
法王がこの後訪問する中央アフリカ共和国でも、イスラム教系とキリスト教系の武装勢力が活動を活発化させている。昨年9月以降、首都バンギでは、両派の散発的な衝突で90人近い死者が出ている。さらに国連機関によると、現在47万人の難民が近隣諸国に逃れている。