法王訪問中のアフリカ貧困地域にテロ予備軍4100万人
ケニアの会談で法王は、若者がしばしば「宗教の名の下に過激化し、対立と恐怖の種を撒き、社会の根幹をズタズタに引き裂く」と語った。これに同意したケニア・イスラム最高評議会のアブドゥルガフール・エルブサイディ議長は、「世界は無謀な戦争に覆われている。イスラムはますます蛮行の根源と見られている」と語った。
さらに法王は、貧困が人々を暴力と過激派活動に追い込んでいる、とも指摘した。ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領と会談した法王は、「経験則として、貧困と失望が恐怖と不信、絶望を生み、それが暴力と衝突、テロの温床となる」と語った。
アフリカでは、サハラ砂漠の南側に広がるサヘル地域に、最も貧しい国々が連なり、4100万人の若者が過激派に加わるリスクにあると言われている。国連事務総長サヘル地域特使のイルーテ・ゲブレ・セラシは国連安全保障理事会に対して、サヘル地域の若者が「絶望に直面」し「大規模な移住や、テロ集団や個人の活動への勧誘、訓練の温床」となる危機にあると訴えた。
アフリカ大陸を横断するサヘル地域には、ブルキナファソ、チャド、モーリタニア、ニジェール、マリなどの国々が含まれる。先週末、マリの首都ババコで高級ホテルが襲撃されて外国人客ら約20人が殺害された事件では、アルカイダ系のテロ組織が犯行声明を出している。
セラシ特使によると、サヘル地域の児童の44%が小学校に通っておらず、識字率は36%にとどまっているという。