習近平訪米の狙いは?【習近平 in アメリカ①】
つまり、潘基文氏は北京の「抗日戦勝70周年記念行事」に参加し、習近平は国連の「70周年記念行事」に参加するという、「相互補助」の組み合わせに最初からなっていたことが、くっきりと見えてくる。
CCTVは「米中は対立せず、互いの利益を共有すること」、「米中両国軍の交流が盛んであること」および「米中の人的交流がいかに盛んか」などのテーマで多彩な画面と情報を流し続けている。
互いの利益交流に関しては、王毅外相と同じように貿易額や投資額を列挙し、両軍の交流に関しては、多国間のリムパック(環太平洋合同演習)や米中二国間合同軍事演習などを挙げ、人的交流に関しては米中両国が10年間のマルチビザ滞在を互いに認め、留学生に関しては5年間のマルチビザを認めたことなどを挙げている。
要は、米中両国がいかに緊密な関係にあり、すでにアメリカ一極の世界ではなく、米中による「新型大国関係」がいかに重要であるかなどを強調した。
習近平政権の過去6回の米中首脳級会談
特に習近平が国家主席になってから、6回も米中首脳あるいは首脳級会談を行っていることを激しく強調している。中国が報道している内容に沿って以下に書き出してみる。
1)2014年11月11日、中南海で習近平国家主席がオバマ大統領と会談。
2)2014年7月9日、北京で第6回米中戦略・経済対話(オバマ大統領の代理・ケリー国務長官と習近平国家主席および李克強国務院総理の代理・汪洋国務院副総理)
3)2013年12月4日、人民大会堂で習近平国家主席がバイデン副大統領と会談。
4)2013年6月7日、アメリカのカリフォルニア、アネンバーグ邸で習近平国家主席とオバマ大統領が会談。
5)2013年4月24日、北京の人民大会堂で習近平国家主席がキッシンジャー元国務長官と会談。
6)2013年4月13日、人民大会堂で習近平国家主席がケリー国務長官と会談。
以上6回のうち(2)に関しては、習近平自身は関わってないが、中国としては「こんなにすごいんだよ」ということを言いたいらしい。
中国に不利な問題は避けている
訪米の狙いとしては、いずれを見ても「ほらね、中国ってすごいでしょ?」とか「米中関係って、こんなに緊密なんだよ」というところを見せながら、「中国はアメリカとほぼ対等のところに行き着いており」かつ「アメリカはこんなに中国を歓迎している」ということばかりが目立つ。