最新記事

ドリンク

次のスーパー食品ラクダ乳の力

栄養価が高く病気にも効果。牛乳に代わる健康食として人気上昇中

2014年9月10日(水)14時54分
エミリー・ロディッシュ

生命力 砂漠を生き抜くラクダのミルクには多くの栄養素が Feisal Omar-Reuters

 うさんくさい響きに聞こえるかもしれないが、栄養たっぷりで健康効果抜群な「スーパーフード」は実在する。ラクダのミルクだ。

 考えてもみよう。砂漠の真ん中で長い間ラクダの赤ちゃんを生かしておけるのだから、ラクダのミルクには有益なものが含まれているに違いない。ラクダ以外の動物にとってもだ。

 中東では以前から人気があったラクダのミルクだが、今ではアメリカにも広まっている。既に大手スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ」カリフォルニア州40店舗以上で取り扱われ、そのほかの地域にも拡大している。

 これは、カリフォルニアに拠点を置くデザート・ファームズ社の努力のたまものだ。同社はラクダのミルクという「万能薬」を、「従来の牛乳に代わる健康的で栄養満点の食品」として強力に売り出している。

 ラクダのミルクには多くの「スーパーな」栄養素が含まれており、国連食糧農業機関(FAO)によればビタミンCは牛乳の3倍、鉄分や不飽和脂肪酸、ビタミンB群も豊富だ。複数の研究によれば、食品アレルギーや糖尿病、B型肝炎、自閉症や自己免疫疾患といった多くの病気に治療効果を持つ可能性まで指摘されている。

 うれしいことに、牛乳アレルギーの主な原因となるベータラクトグロブリンやベータカゼインなどの物質は含まない。その一方で、食品アレルギーを防ぎ免疫システムを修復する上で欠かせないさまざまな防御タンパク質を含有している。
味は牛乳に似ているが、少しだけ塩気がある。ある食通は、「牛乳にプレッツェルを入れておいたような味」だと表現している。

 とにかく、まずい味ではないだろう。ラクダのミルクはソマリア人から非常に好まれているし、ドバイのしゃれたカフェにも常備されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏のグリーンランド購入意欲、「冗談ではない

ビジネス

米司法省、HPEによるジュニパー買収阻止求め提訴

ビジネス

インテルの第4四半期、売上高が予想上回る 株価上昇

ビジネス

米アップル、四半期利益予想上回る iPhone・中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中