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独占インタビュー

IMFセックス疑惑のメイドが独占激白
【第1回】「男は私に襲いかかった」

2011年7月26日(火)19時04分
クリストファー・ディッキー、ジョン・ソロモン

 一方、ソフィテルホテルでの暴行事件に関する説明は、鮮明で説得力に満ちていた。ディアロは2820号室を清掃するために、この部屋のゲストがチェックアウトするのを長い間待っていたという。そのとき、ルームサービス係の男性がプレジデンシャル・スイートの2806号室から食器類を運び出し、この部屋は空室だと知らせた。

 ディアロは自分でもゲストの不在を確認したいと考え、「すみません、ハウスキーピングですが」と声をかけてリビングルームを見渡した。白髪の裸の男が現れたのは、ディアロが客室の入り口付近でベッドルームのドアに向いて立っていたとき。ディアロが「すみません!」と言って立ち去ろうとすると、男は「謝ることはない」と答えて、彼女の胸をつかみ、スイートルームのドアをぴしゃりと閉めた。

助けを求める声は外に届かなかった

 身長約178センチのディアロは、ストロスカーンより長身で体型もがっしりしている。ストロスカーンは彼女に「きれいだ」と言いながら、ベッドルームに連れ込もうとした。「私が『止めて下さい。この仕事をなくしたくないんです』と言うと、彼は『そんなことにはならないよ』と言った」と、ディアロは振り返る。相手が誰であれ、ホテルのVIPゲストを訴えるような事態になれば、大切にしてきたものをすべて失いかねない。「私は彼から目を逸らしていた。怖かった。誰も部屋にいないと思っていたから」

 ストロスカーンが彼女をベッドに引きずり込み、口にペニスを押し込もうとした話になると、ディアロは口を真一文字に結び、首を左右に振って抵抗した様子を再現した。「彼を押し返して起き上がった。男を怖がらせたくて、『私の上司が近くにいる』と言った」。だが男は、部屋の外には誰もおらず、声は届かないと言った。

 それでもディアロは、男を押しのけようとした。「怪我をさせたくなかった。仕事を失いたくなくなかったから」

 男ともみ合いになり、彼女はベッドルームからバスルームへ移動させられた。ディアロの制服には前ボタンがあったが、ストロスカーンはボタンには触れず、制服を太ももまでたくし上げてストッキングを引き下げると、下着のクロッチ部分を強く引っ張った。あまりに強く引っ張られたため、数時間後に病院で診察を受けた際にも、赤い跡が残っていたほどだ。

 ストロスカーンはディアロをひざまづかせて背中を壁に押し付けると、彼女の頭を両側から抑えこみ、口にペニスを差し込んだという。「頭のこの辺りを強く押さえていた」と、ディアスは頭部に手を当てて語った。「彼は動きながら、『あー、あー』と声を発していた」

 ディアロを診察した病院の報告書には、「彼女は口の中に酸っぱい液体が流れ込むのを感じ、カーペットに吐き捨てた」と書かれている。「私は立ち上がって、唾を吐きながら、走って逃げた。引き返さず、廊下に走り出た。神経が高ぶって怖かった。仕事を失いたくなかった」...

【第2回】「私は嘘などついていない」
【第3回】発情したチンパンジー

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