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ウィキリークスアサンジがロック・フェスに出る意図
性的暴行疑惑の渦中に、故郷オーストラリアの一大ロック・イベントにどんなビデオメッセージを送るのか
英雄か極悪人か 審理ために英高等法院に姿を見せたアサンジ(7月12日) Suzanne Plunkett-Reuters
内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジが来週、出身地オーストラリアで開かれるロック・フェスティバルに登場する。アサンジが姿を見せるのは、北東部クイーンズランド州ウッドフォードで開かれる「スプレンダー・イン・ザ・グラス・フェス」。冬のオーストラリアでは最大の野外フェスとして知られ、今年はコールドプレイやカニエ・ウエストの出演も決まっている。冬場にもかかわらず、昨年は3万人を超える来場者が集まったという。
とはいえ地元紙によれば、アサンジは実際にステージに上がるわけではなく、インターネット規制に関するパネルディスカッションにて、ビデオメッセージという形で登場するらしい。現在アサンジは、昨年夏にスウェーデンで性的暴行をはたらいた容疑をかけられ、イギリスで自宅軟禁状態に置かれている。
3日間にわたるフェスの初日、7月29日に行われるパネルディスカッションの目玉は、アサンジの母親クリスティーン・アサンジ。他にもアサンジの弁護士や、ハッキングについての本をアサンジと共著したスーレット・ドレイファスなどが登場する。
パネリストとして集まるのは「ジュリアンと親しい人たちや、水面下で本当は何が起きているかを知る人たち」だと、クリスティーンは言う。「主要メディアが知ろうともせず、ねじ伏せてきた情報を直接聞くことができる貴重な機会だ」
外交公電暴露の報復の犠牲者
パネルディスカッションにはこんな副題が付いている。「政府や大企業からウィキリークス、ハッカー集団のアノニマスまで。ネット上の秘密を支配するのは誰?」
主催者によれば、アサンジのビデオは集まった音楽ファンに向けて、「ウィキリークスとアサンジ逮捕に隠された真実と、それらがオーストラリアや世界の若者にとって何を意味するか」を伝えるものだという。
アサンジは、事情聴取を理由にスウェーデンが求めている身柄引き渡しは不当だと訴えてきた。12日にロンドンの高等法院で始まった2審の審理では、スウェーデンに移送されれば性的暴行疑惑について公正な裁判を受けられないと主張した。
それどころか、いったんスウェーデンに行けば、アサンジを起訴したがっているアメリカへと移送されかねないと訴えている。アサンジ率いるウィキリークスは昨年、アメリカの外交公電を暴露し、米政府だけでなく世界に散らばる各国の外交官たちの面子を潰した。
アサンジは現在、警察と毎日欠かさず連絡を取ることや、居場所を知らせる電子タグ付きブレスレットの着用を義務付けられている。スウェーデンへの移送の是非については書面で通知されることになったが、期日は定められいない。結論が出るまでには、まだ時間がかかるかもしれない。