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戦争後遺症

忘れられた戦争の忘れられた犠牲者

2011年3月9日(水)14時16分
末盛亮(フォトグラファー・ライター)

支えてくれる家族とくつろぐこともある

だんらんの時 支えてくれる家族とくつろぐこともある  Akira Suemori

「1ペニーも無駄にできない」暮らし

 生活には家族やパートナー、友人の助けが欠かせない。以前は姉宅で、今ではパートナー宅で食事をすることが多い。歯科の費用は兄弟が負担。机やパソコンも貰い物だ。医療は無料で福祉住宅に費用はかからず、障害者対象の生活手当も支給されているが、「1ペニーも無駄にできない」と、支出には常に注意している。

 コナリーの現在のパートナーは、離婚経験者を助ける活動を通じて知り合ったキャロリン・ウィットフィールド(51)。前夫は湾岸戦争の帰還兵で、彼女自身は長年看護の仕事に携わっている。それでもコナリーを取り巻く状況に「ショックを受けた」と驚きを隠さない。

「今は明日を生きようとしている。もう過去のことは話したくない」と、コナリーは言う。この健康状態で長生きは出来ない。しかし人生のすべてを諦めたわけではない。「政府が認めてくれていたら、これほど苦労はなかった。もし弁護士費用があったなら、きっとまだ闘っている」
 
 湾岸戦争と健康被害の因果関係を巡る議論は今も堂々巡りだ。コナリーの孤独な朝の日課のように、終わりが見えない。

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