バーレーン危機にサウジが怯える理由
サウジの油田地帯にもデモが飛び火
さらに重要な共通点は、不当な扱いを受けていると不満を募らせるシーア派の被支配層をかかえていること。強大で好戦的なシーア派国家のイランが彼らを焚きつけて問題を起こすのを恐れている。
バーレーンは国民の70%近くがシーア派教徒。先週来の抗議行動の根底には彼らの怒りがある(一部のリベラルなスンニ派教徒もデモに参加している)。一方、人口2200万人のサウジアラビアでは、シーア派住民の割合はわずか10%ほど。ただし彼らは疎外感を募らせており、しかも油田地帯である東部に集中している。
17日朝には、シーア派住民が圧倒的に多いサウジアラビア東部の町カティフに近い村で非武装のデモが1時間ほど続いた。デモ隊は当局に身柄を拘束されているシーア派教徒の釈放を要求しているという。「サウジアラビア政府は懸念を募らせていると思う」と、シーア派の活動家ジャファー・シャエブは言う。
バーレーンの治安を維持するため、サウジ軍の関係者と戦車が現地入りしたとの未確認情報もある。ただし、バーレーンのハリド外相は記者会見で、この情報を否定した。
明日はわが身か──サウジアラビアの王族が安心して眠れる日は当分訪れそうにない。
(GlobalPost.com特約)