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ウィキリークス創設者のレイプ疑惑、再燃のなぜ
一度は取り下げられたレイプ容疑が再浮上、アサンジは外国勢力の陰謀論を主張しているが
再びピンチに ウィキリークスの共同創設者アサンジはレイプ容疑を全面否定している(写真は8月14日、スウェーデンのストックホルムで) Reuters
スウェーデン検察当局は9月1日、アフガニスタン戦争に関する米軍機密文書を公開して注目された内部告発サイト「ウィキリークス」の共同創設者ジュリアン・アサンジに対するレイプ容疑の捜査を再開すると発表した。同時に、アサンジのわいせつ行為の容疑についても捜査を進めることを明らかにした。
スウェーデン検察幹部のマリアン・ナイは、当局のウェブサイト(英語ページ)に掲載された文書でこう述べている。「犯罪があったと信じるに足る理由がある。これまでの捜査情報から考える限り、レイプだと私は考えている。現段階では、それ以上の見解は示せない。最終判断を下すには、さらなる捜査が必要だ」
本誌や他のメディアが報じたように、レイプ容疑が浮上したのは8月20日の夜。スウェーデン検察の検察官がアサンジの逮捕状を請求したのが発端だった。翌朝、上級の主任検察官がこの容疑を精査し、証拠不十分として取り下げた。しかしアサンジのわいせつ行為の容疑をめぐる捜査は行うことになり、今週初めにはアサンジの事情聴取が行われたという。
「合意なしのセックスは一度もない」
レイプの被害者とされる2人のスウェーデン女性の弁護士クレス・ボルイストレムは本誌に対し、レイプ容疑の捜査は再開されるべきだと主張。そのうえで、容疑に対する判断を下すよう、検察当局上層部に請求すると語った。この請求の後、捜査の再開が決まった。
ボルイストレムは本誌に対し、アサンジがコンドームなしで性交渉を行おうとしたことや、事後に性病の検査を受けるのを拒否したことも、容疑に関連していると認めた。
検察当局は公式文書の中で、継続されていたわいせつ行為の捜査は今後、「当初の調書に含まれていた全ての容疑に拡大される。犯罪があったと判断する理由がある。これまでの捜査情報に基づいて考えれば、性行為の強要とわいせつ行為にあたる」としている。
検察当局のナイ、被害者側の弁護士のボルイストレム、アサンジの弁護士からは、いずれも新たなコメントは得られていない。ツイッターへの書き込みやメディアの取材で、アサンジは性的虐待へのいかなる関与も否定し、スウェーデン検察が外国の勢力によって動かされている可能性も示唆している。さらにスウェーデンの新聞に対しては、「これまでお互いの合意なしにセックスをしたことは一度もない」と語っている。