国内企業物価指数、2月は前年比+4.0% 前月比横ばい

3月12日、日銀が発表した2月の企業物価指数(CGPI)は前年比4.0%上昇した。写真は、日銀本店。2025年1月、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Tetsushi Kajimoto
[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した2月の企業物価指数(CGPI)は前年比4.0%上昇した。コメ価格の上昇などを背景に農林水産物や飲食料品が押し上げ要因となったほか、ガソリン補助金見直しの影響などから石油石炭製品も上昇に寄与した。
2月の伸び率は前月の4.2%から鈍化し、ロイターがまとめた民間調査機関の予測と一致した。
前月比は横ばい。電気・ガス料金の補助金再開を受けて電力・都市ガス・水道が下押しした。
同指数は企業間で取引するモノの価格を示す。指数は2020年の平均を100とした水準で125.3と過去最高だった前月から横ばい。
類別では農林水産物が前年比39.4%上昇と1月の37.6%(確報値)から伸びが加速。コメ不足で高騰した精米価格は前月比1.9%、前年比66.9%、それぞれ上昇。年内は現在の水準で推移すると見込まれている。
弁当やおにぎりを含む飲食料品は2.6%上昇した。
指数を構成する515品目のうち、上昇した品目は384品目、下落は108品目となり、差し引きは276品目と、1月の298品目に比べて減少した。
日銀の担当者は今後について、海外経済や地政学的リスクの影響を含めた国際商品市況の動向、企業の価格設定行動、政府による電気・ガス料金やガソリン価格の負担軽減策による企業物価下押しの影響を注視していくと述べた。
日銀は、企業間の価格転嫁の動きが、対顧客の財・サービスである消費者物価(CPI)にどのように反映するのか、賃金と物価の好循環の確度を慎重に分析し、今後の利上げをはじめ金融政策の正常化を進めることが期待されている。
アナリストの中には食料品価格の高騰は、2025年半ばまでは続くのではないか、との観測がある。
「基本はCPIも高止まりが続きそうだ。その意味では利上げに向けて動くという見方に変わりはない」とSMBC日興証券の宮前耕也氏は述べる。ただ「利上げの前倒しを促すほどの強さではないが、後ろ倒しにもならない。オン・トラックとの見方は変わらない」と付け加えた。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。