ジャズ第2の故郷、ヨーロッパの夏
大物アーティストも講演
「ジャズは歴史的にほかのジャンルを融合してきた」と、ディレクターのヤン・ウィレム・ルイケンは言う。「その意味でヨーロッパのジャズシーンはアメリカよりも冒険的。音楽をジャンル分けすれば潜在的なファンを失ってしまう。オープンであり続けることがジャズの強さの秘密だ」
主催者は常に観客を喜ばせる方法を模索している。パラシオは海辺でバー完備のライブ開催を決めた。ジャザルディアは昨年、屋外会場でインディーズ中心のライブを行って10万5000人を集めた。
未来のファン育成を狙い、ワークショップや講演会も開かれる。アンティーブやマルシアックでは通年のジャズスクールも運営されている。「学生は特別なカリキュラムを受けることができる」と、マルシアック・ジャズフェスティバルのディレクター、ジャンルイ・ギョーモンは言う。「上級クラスではマルサリスのような大物に学ぶチャンスもある」
「ジャズはいつかまた『ポップミュージック』になる」と、パラシオは言う。「そうなれば世界は今よりずっといい場所に変わる」
(GlobalPost.com特約)
[2010年8月 4日号掲載]