最新記事

アフリカ

ソマリアのアルカイダ、アルシャバブって何者?

2010年7月15日(木)18時14分
ラビ・ソマイヤ

 彼らに言わせれば、ワールドカップを視聴するのは「邪悪な行為」。最近も、南アフリカ大会の試合を見たり、実際にサッカーをしたソマリア人を少なくとも5人殺害し、他にも多くの人々を投獄したり、拷問したという。

アメリカでも戦闘員をリクルート

 APの報道によれば、7月12日、アルシャバブの報道官を名乗るシェイク・アリ・モハメド・ラゲがウガンダの連続爆破テロに関する声明文を出した。「われわれはウガンダに対し、ソマリアに派兵しないよう警告してきたが、彼らは無視した。ソマリア人への虐殺をやめるよう警告したが、彼らは無視した。カンパラでの爆発は彼らへの小さなメッセージに過ぎない。ウガンダがソマリアから撤退しないかぎり、あらゆる場所で彼らを攻撃する」

 アルシャバブが国外で活動するのは、今回が初めてではない。昨年前半、アメリカのテロ対策担当者とFBIがアルシャバブのアメリカで活動を調査した結果、国内の複数の都市でソマリア人コミュニティに働きかけてメンバーを募っていたことを示す強力な証拠を発見した。

 ニューズウィークは当時、17歳から27歳の最大20人のソマリア系アメリカ人が、07〜09年にミネアポリスの自宅から怪しい形で姿を消しており、ソマリアでの戦闘に参加している可能性があると伝えた。当局は、彼らの一部がアメリカ国内でテロ行為を行うために国内に残っている可能性も懸念している。

 今回私が接触したテロ対策担当者らは、ソマリア国外での攻撃に意欲をみせているという点でも、アルシャバブは引き続き懸念対象だと語っていた。アメリカはかつてアルシャバブの戦闘員の殺害に乗り出したことがあり、08年には著名な指導者だったアダン・ハシ・アイロをロケット攻撃で殺害した。

 それでも、「奴らのせいで夜も眠れない」と、あるFBI関係者は語っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 6
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    2人きりの部屋で「あそこに怖い男の子がいる」と訴え…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中