最新記事

起業

「メキシコ文化を象徴するものを生み出したい」伝統レシピにひねりを加えた、人気ドリンクの誕生

A New Spin on It

2023年05月19日(金)13時39分
ケリー・アン・レンズーリ(ジャーナリスト)
ケイラ・カスタニェダ

ケイラ・カスタニェダ(アグア・ボニータ創業者・CEO) DILLON JOHNSON/AGUA BONITA

<「アグア・フレスカ」をもっと楽しんでほしい。顧問を務めていた会社がコロナ禍で潰れてからのケイラ・カスタニェダ(アグア・ボニータ創業者・CEO)の挑戦について>

顧問を務めていた飲料のスタートアップ企業がコロナ禍でつぶれたとき、ケイラ・カスタニェダは自由になった時間と飲料業界での経験を生かして事業を立ち上げようと考えた。

それがアグア・ボニータ。メキシコや中米で人気のフルーツドリンク、アグア・フレスカの初の缶製品だ。

「自分の家族とメキシコ文化を象徴する何かを世に出したかった。パンデミックの間、義母が毎日アグア・フレスカを作っていた。子供の頃、祖父が畑で採れた果物でよく作ってくれたことも思い出し、これがいつでも飲めたらいいじゃない?って」

アグア・ボニータは糖分を80%減らし、ハイビスカスやパイナップル&キュウリなど独自フレーバーで伝統レシピにひねりを加えた。

だがリサイクル可能な缶を採用したのは問題だった。炭酸入りなら中からの圧力で缶の強度が高まるが、無炭酸のアグア・ボニータの缶はつぶれやすい。解決したのは今年2月。取り扱い店が約250店から、セブンイレブンなど大手を含む2000店になるぎりぎり数週間前だった。

ここまで来るには創造力と競争心を発揮して人脈を築き、資金を獲得する必要があった。地元イベントでの飲み物配布から始め、事業コンテストで50万ドルを獲得。ペルノ・リカールなどからの投資も得て、ラテン系女性の飲料スタートアップでは初の100万ドル以上調達を実現した。

資金面の苦労はあったが、カスタニェダは初日から売り上げの一部を女性出稼ぎ農場労働者を支援するNPOに寄付してきた。「事業を築くと同時に、関心ある問題を改善していく方法もある」と、彼女は言う。

社会的価値創造
「子どもの体験格差」解消を目指して──SMBCグループが推進する、従来の金融ビジネスに留まらない取り組み「シャカカチ」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

輸出規制厳格化でも世界の技術協力続く=エヌビディア

ビジネス

ラトニック氏の金融会社がテザーと協議、新たな融資事

ビジネス

米、対中半導体規制強化へ 最大200社制限リストに

ワールド

ヒズボラ、テルアビブ近郊にロケット弾 ベイルート大
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    メーガン妃とヘンリー王子の「単独行動」が波紋を呼ぶ

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 5

    超一流を育てるユダヤ人の家庭教育で受け継がれてき…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 4

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 5

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 4

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

  • 5

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること