高級ホテルでセミナー? 心身の不調に悩む女性に付け込む「更年期マーケティング」とは
What Do Menopausal Women Want?
たいていは更年期の女性が自ら起業し、同世代の女性がホルモン補充療法などに関する難しい医療アドバイスを理解するのを助け、ユーザーと医療のプロをつなぐことを目指している。
いろんなイベントもある。私は先日、西海岸のリゾート地サンタモニカで開かれた「新更年期」と題するイベントに参加した。更年期を控えた、あるいは迎えた女性を対象にしたカンファレンスで、参加費は200ドルもした。
スポンサーは自称「中年世代コミュニティー第1号」の「スウェル」と、女優ナオミ・ワッツが立ち上げた更年期女性のためのスキンケアブランド「ストライプス」だ。
サンタモニカにある高級ホテルで開催されたこのイベントの参加者は、まさにサンタモニカの高級ホテルにふさわしい女性ばかりだった。いずれも裕福そうな白人女性で、髪はブロンドの人が目立ち、カシミヤなどの高級素材の服で着飾っていた。
取るに足らない情報も
断っておくが、私はそんなタイプじゃない。そもそも白人ではない。裕福でもブロンドでもない。ケイト・スペードの高価なバッグを持ち歩くレディーでもない。
ただし幸か不幸か、そんなレディーたちと私の間にも一定の共通項がある。みんな肌の乾燥や気分のむらなど、更年期特有の問題を抱えている。その点では私も中年レディーたちの仲間に違いない。
でも私は昔から、女性特有の悩みを解決すると称する新製品やサービスを絶対に信じないで生きてきた。だから「更年期マーケティング」にもだまされない。
「新更年期」会議では何が語られたか。登壇したパネリストは心理療法士や医師、科学者、活動家など十数人。私たちには上等な椅子が用意されていた(なにしろ6時間も座りっぱなしだから)。
言うまでもなく、私たちは「どうすれば更年期を乗り切れるか」を聞きたかった。でも、なかには勘弁してほしい話もあった。