外食が減った今こそ読みたい「家庭料理人」の料理本 その料理哲学
An Ode to Cooking at Home
2021年04月09日(金)12時41分
――家庭料理人がいて、料理上手が売りのセレブがいて、しっかりした訓練を受けたプロのシェフがいる。料理人にもヒエラルキーがあるのだろうか? 資格を持ったシェフが家庭料理人を見下すようなことはない?
それなりのヒエラルキーはある。私は自分の本をたくさん書き、他人の料理本にも協力してきたから、いろんな料理人を見てきた。私が過去に協力してきた人や、料理本の書き方について質問してくる人には、「自分にしか書けない本を書く」ようアドバイスしている。もちろん、簡単なことではないけれど。
自分を偽るのではなく、自分が何者であるかについて正直でありたいと思う。私はレストランの人間ではない。毎日家で料理をしていて、そこに価値を見いだし、それを表現しようとしている。
レストランやテレビで活躍する料理人や、セレブな料理人よりも、家庭料理人のほうが数は多い。だから、たくさんの人とつながれるのは家庭料理だと思う。でも、甘く考えちゃいけない。知名度や資格が優先される今の世界で、クリエーティブな仕事に徹するのは大変よ。