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IQじゃない。習い事で伸ばすべきは「非認知能力」

2020年11月24日(火)18時10分
船津徹

集団の習い事がコミュニケーション力を伸ばす

日本では子どもの習い事というと、水泳、バレエ、ピアノなど個人で行うものからスタートすることが多いですね。不慣れな集団の中で、まだ技能の未熟な子どもが萎縮したり、いじめの対象になるリスクを避けたいという心理が保護者に働いているのかもしれません。しかし非認知能力を鍛えるという点から考えると「集団の習い事」への参加が望ましいと言えます。

集団活動を通して子どもは仲間とのコミュニケーションを密にしていきます。周囲としっかりコミュニケーションできなければ、チームとしてまとまりを欠き、試合やコンテストで勝つことができません。子どもたちは共通の目標に向かって互いにコミュニケーションを取り合うことの大切さを集団活動から学ぶことができるのです。

近年の情報化によってパソコンやスマートフォンを通して人と関わり合うことが当たり前になりました。さらに小子化や都市化によって、性別や世代を越えた多様な人と親密に関わり合う機会が少なくなりました。社会が急激に変化する中で、人と関わることが苦手、友だちを作ることができない、異性とのコミュニケーションがとれないという子どもが増えています。

これからの社会において子どものコミュニケーション力を鍛えるには「集団の習い事」に参加することが手っ取り早い方法です。この時に大切なのが、習い事が早く上達するように家庭でアシストすること。親が基礎練習に付き合い、子どもが早く上手くなれば、自信が大きくなり、伸び伸びと習い事を楽しめるようになります。

習い事は子ども自身が意欲を持って挑めるものを選ぶことが理想です。ただ年齢の小さい子どもは自分の「強み」や「特性」に気づくことはできませんから、子どもに合いそうな習い事を親が見つけて、紹介してあげてください。そして技能を周囲よりも少しだけ高めてあげて「自信」を大きくしてあげるのです。

非認知能力を伸ばすポイントは「長く続けること」

東京成徳大学の夏原隆之助教授が、小学3年生〜中学3年生までの1581人を対象に実施した「子どもの非認知スキルの発達とスポーツ活動との関連性」調査で、スポーツ経験のある子どもは、自制心、忍耐力、目標指向などの非認知能力が未経験者に比べて高いことがわかりました。

また個人スポーツよりも集団スポーツの経験者が非認知能力が高い傾向があること、さらに、スポーツ活動歴が長い子どもほど非認知能力が高くなる傾向があることが分かりました。

この調査はスポーツに限っていますが、非認知能力は、演劇、ダンス、吹奏楽、合唱など、アート系の集団の習い事でも鍛えることができます。どんな習い事に参加しようとも重要なのは「長く続ける」ことです。

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