台湾総統、米に「関税ゼロ」提案へ 企業の投資増や輸入拡大も

台湾の頼清徳総統は4月6日、相互関税を巡る米国との協議で関税を互いに撤廃することを提案するほか、台湾企業が米国への投資を増やすと表明した。3日、台北で撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
Ben Blanchard
[台北 6日 ロイター] - 台湾の頼清徳総統は6日、相互関税を巡る米国との協議で関税を互いに撤廃することを提案するほか、台湾企業が米国への投資を増やすと表明した。
トランプ米大統領は2日発表した相互関税で、台湾に32%の税率を設定。ただ、主要輸出品である半導体は対象外となった。
頼総統は中小企業の幹部と面会。総統府がその後発表した動画で、貿易に依存する台湾の経済が関税対応に苦労するのは避けられないが、影響を最小限にできると指摘。「米国・カナダ・メキシコの自由貿易協定を参考に、台米間で関税ゼロを前提に交渉をスタートできる」と述べた。
また、台湾が報復関税を講じる計画はなく、台湾の利益になる限り企業の対米投資方針も変更はないと述べた。台湾の半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は先月、米国に1000億ドルを追加投資すると発表した。
頼氏は「今後、TSMCの投資拡大に加えて、電子機器、情報通信、石油化学、天然ガスなどの産業も対米投資を拡大し、台米産業協力を深めることができるだろう」と語った。
さらに、農業、工業、エネルギー分野で米国からどのような大規模な購入ができるか内閣が検討中で、国防省はすでに武器購入計画を発表したと述べた。
また、非関税貿易障壁も積極的に解決する考えを示した。
<5日にはテック企業幹部とも面会>
頼総統はこれに先立つ5日にはテック企業幹部とも面会。台湾の国際競争力を確保し、台湾の利益を守ることを約束した。
発表文ではどの企業の幹部と面会したかは明らかにされなかったが、台湾メディアによると、半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)と電子機器受託生産大手の鴻海(ホンハイ)精密工業の幹部らが出席した。
両社からはコメントを得られていない。