ペットにミミズ!? 休校中の子供と一緒に環境問題考えるきっかけにも
適切な量を守れば臭うこともなし
実際にコンポスト用にミミズを飼うとしたら、何匹が必要になるのだろう? ミミズ(シマミミズ)の数は容器の大きさに合わせて、500匹(約250g)、1000匹(約500g)、2000 匹(約1kg)と決まってくる。ミミズは容器の中での快適さを判断しながら繁殖するため、増え過ぎる心配はない。ミミズの平均寿命は2年。7、8年生きる場合もある。
野菜や果物のくず、炭水化物(ごはん、パン、麵)、茶殻、草花のほか、ミミズが紙の繊維を摂取できるように段ボールや新聞紙などを与えてもいい。柑橘類やネギ類、辛味や酸味の強いものなど、与えてはいけない生ごみもある。生ごみを与え過ぎて腐ったりしなければ、容器は臭わない。もしも小さいハエやアリが来ても対策はある。
できあがる堆肥の量はミミズの数によって異なり、収穫は年に2~6回だという。液肥(ミミズの尿)も出るため、コンポストに付いている蛇口や受け皿で取り出す。この堆肥や液肥を植木や家庭菜園に使うというわけだ。
ペットだから、旅行などで留守にするときのことが気になるが心配は無用。2、3週間の留守なら多めに生ごみを入れればいい。4週間以上なら、誰かに世話を頼もう。
日本でもコンポスト 10年以上前から販売
日本で購入できる外国製コンポストは限られているが、日本でもミミズコンポストは作られている。「金子みみずちゃんの家」と名付けたコンポストは、シックな黒色だ。広島市の光和商事株式会社が開発した。すでに10年以上前から発売し、10周年を記念して実施した購入・利用者へのアンケート結果が近く公表されるという。
農園などでは、ミミズコンポストをすでに取り入れているところもあるだろう。子供が環境への関心をより高められるように、家庭でミミズコンポストを始めてみるのも一案だ。購入すると補助金が出る自治体もある。
[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」監事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com
2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。