コロナ禍の今こそ「本質を見抜く力」を子どもに 思考力を高めるオープンエンドの質問が効果的
インターネットニュースをクリティカルに読み取る
インターネットはクリティカル・シンキングを鍛える最高の教材です。子どもが情報を鵜呑みにすることなく、正しい情報を見極められるように、インターネットに潜む「ウソ」について教えてあげてください。
「お湯を飲めばコロナウィルスは予防できる」という記事を見せて「誰が書いているのだろう?」「この記事は事実なのかな、それとも誰かの意見なのかな?」「何を根拠にしているのだろう?」など、情報を多面的に「検証」することを子どもに教えてあげましょう。
目に見えない新型コロナウィルスへの不安が広がっていますが、具体的に何が怖いのか、どうしたら予防できるのか、重症に陥る可能性はどの程度なのかなどを言語化してあげることで漠然とした不安を軽減できます。
「コロナウィルスはお年寄りや病気を抱えている人が感染する可能性が高いんだ。子どもや健康な人はうつっても重病になることが少ないんだよ。大切なのは予防すること。だからどうしたら予防できるのかよく考えてね」と、子どもに伝えてあげてください。
新型コロナウィルスは、一人ひとりが健康管理と衛生管理を行い、正しい予防策を実行すれば、拡大を防ぐことができるはずです。情報にコントロールされ過剰な自己防衛や周りのことを考えない身勝手な行動に走らないように、コロナ騒動をきっかけに、親子で「本質を見抜く力」を養ってください。
[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。
2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。