英音楽フェス、「男性アーティストばかり」で批判殺到、男女比是正の動きへ
レディング・フェスティバル 2007年 wikimedia commons
<イギリスの音楽フェスで男性の出演者数が圧倒的に多いことが問題視され、男女比を是正する動きが出始めている......>
出演者92組中、女性アーティストはわずか20組
英国の代表的な野外音楽フェスティバルの一つ、レディング&リーズ・フェスティバルで、男性の出演者数が圧倒的に多いことが問題視されたことをきっかけに、英国における音楽フェスで男女比を是正する動きが出始めている。
ことの発端は、レディング&リーズ・フェスティバルが2月11日に発表した出演者のラインナップだ。92組中、女性アーティストはわずか20組、メインステージに至っては18組中3組のみだった。
これを受けて、ツイッターでは「女性アーティストが軽視されすぎている」との声が上がった。英ガーディアン紙のローラ・スネイプス記者はツイッターに、「メルビン・ベンは男女比なんてどーでもいいと思っていると結論付けて良さそう」と投稿した。メルビン・ベンとは、レディング&リーズ・フェスティバルを主催する会社の社長だ。
By this stage we can conclusively assume that Melvin Benn doesn't give a shit about representation https://t.co/SqAzoKj5pF
— Laura Snapes (@laurasnapes) February 11, 2020
また、音楽ライターの「Lucy」さんは、「女性はどこ?」とツイート。DJでありラジオ・パーソナリティでもあるアニー・マックは、「レディング&リーズのラインナップを見て失望。女性の代表を出演させたいという意識がないことがあからさま」とツイートした。
The @OfficialRandL lineup with the men removed. Where are all the women aye? #readingfestival #leedsfestival pic.twitter.com/B70Y97IAWZ
— Lucy (@lucy_mccourt) February 11, 2020
ジャンルは多様化しているのにジェンダーは......
英メトロ紙もまた、レディング&リーズは女性なんてどうでもいいと思っているのではないか?との記事を掲載した。「女性アーティストはラインナップのわずか21%。英国の51%が女性であることを考えれば、これは少しおかしいと分かるはずだ」としている。
同紙はまた、ロック・アーティストだけが出演する音楽フェスであれば、利益を生み出す人気ミュージシャンに男性が多いジャンルであるため理解できるが、レディング&リーズはロックのみならず、インディ、ポップス、ラップ、グライム、ダンスとさまざまな音楽ジャンルを平等に扱っていると指摘。それなのに「ジェンダーはそうなっていない」と述べている。
さらに、女性アーティストが少ないから、という意見については、スペインの音楽フェス「プリマベーラ・サウンド」が男女比同率を実現した他、女性だけの音楽フェスも存在すると同紙は主張。ビリー・アイリッシュやデュア・リパ、ヘイリー・ウィリアムスなどの名前を挙げ、女性アーティストが少ないわけではないと反論した。