「47.2歳が人生で最悪」説を経験談から大検証してわかったこと
Is 47.2 the Most Miserable Age?
人生の行き詰まりに体の衰え......47.2歳は幸福度がドン底の時期? (写真はイメージ)iStock
<年齢と幸福度の研究から割り出された「一番惨めな年齢」の真実を聞き取り調査したら>
一生のうちで最も惨めな時はいつ? 米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授(経済学)によれば、それは47.2歳らしい。
ブランチフラワーは1月、132カ国からデータを集めた年齢と幸福感に関する研究を発表。年齢を横軸、幸福度を縦軸にグラフを描くと、幸福度は中年期にかけて緩やかに下降し、その後上昇してU字曲線の「ハピネス・カーブ」を形作ると言われるが、 先進諸国ではカーブが最も落ち込むのが47・2歳だったという。
私のように、中年の惨めさを既に山ほど感じているがまだ47.2歳に達していない者にとって、これは気がめいる結果だ。そこで私は、実際に47.2歳を経験した人々に話を聞いてみることにした。47.2歳の何がそんなに惨めなのか。どうしたら恐るべき運命を回避できるのか?
まず言っておくべきは、47.2歳で完璧に幸せな人もいるということ。47.15歳のダーシーは、世界情勢は心配だがニューヨークでの人生は「最高。私生活も仕事も努力が実り充実している」と言う。47.28歳のジェフも「いいこと続きの毎日だ」。
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一方で、多くの47・2歳から、実際にこの年齢がキツイ理由も聞き出せた。女性たちにとって、47・2歳はプレ更年期。片頭痛や睡眠不足など惨めな気分になる症状が出る人もいる。「誰にでも2~3歳年上の友人がいるものだが、47歳はちょうど彼らが50代に差し掛かる時期で、突如として大台が目前に迫って感じられるようになる」と、47.25歳のエリザベスは言う。
子供のこともある。アメリカ人女性の第1子平均出産年齢が26.3歳だから、47.2歳の子供は21歳になろうかというところ。手離れの寂しさも気分を落ち込ませるだろう。
もちろん、シンプルに老化が進み、死に近づくという事実もある。47.19歳のトムは「人生も半分以上が過ぎ、突然、残り時間を告げる時計がチクタク響き始める」と言う。