最新記事

プロレス

「ザ・マン」と呼ばれる女子プロスター、ベッキー・リンチが語るキャリアのこと

No More Dancing Leprechaun

2019年09月25日(水)17時20分
フィリップ・マルティネス

初期のNXTはWWEのトップ女子レスラーの登竜門だった。ペイジ、フレアー、リンチ、サーシャ・バンクス、ベイリーといったスターレスラーがここで経験を積み、彼女たちの対決はNXTの看板カードとなった。

「私たちは多くの時間をもらえた。リングに上がり、いいパフォーマンスして、それでもっと多くの時間をもらえて──そんな好循環が続いた」

レスラーに自分で何かを作り出す能力と試行錯誤する余裕を与えたことが、NXT時代の自分や他の女子レスラーの成長を後押ししたと、リンチは感じている。その感覚は今も変わらないという。

NXT時代にリンチのキャリアを一変させたのも、このクリエーティブ面での自由だった。彼女は踊る妖精のイメージを捨て、「ザ・ボス」ことサーシャ・バンクスとの抗争や和解を通じて現在のファンが目にしている 個性的なキャラを確立した。

NXT時代に正しい道を進んでいると確信させてくれた瞬間はたくさんあるが、全てを変えたのは『テイクオーバーアンストッパブル』でのNXT女子王座戦だった。そのことは本人も認めている。

「一番大きかったのは、『テイクオーバー』のサーシャ・バンクス戦。最後は負けたけど、観客は立ち上がって私の名前を合唱して、私の歌を歌った。控室に戻る途中、『OK、これでまたチャンスが来る』と思った。 自分の中で自信が深まり、正しい方向に向かってると確認できたのはあのときだった」

【参考記事】海外移住「キャリアアップ」のリアル──日本人女性の挑戦2.0

NXTに乱入するかも?

偶然にも、この2人は9月日の特番『クラッシュ・オブ・チャンピオンズ』のロウ女子王座戦で再び対戦する予定だ。4年近くの間、全く違う道を歩んできた両者だが、確執はNXT時代から始まっている。

「NXTにいたときの彼女はトップスターで、私は少しでも注目されたらラッキーというレベル。でも、流れが変わった」と、リンチは言う。「今の立ち位置は全然違うと思う。恐ろしく厳しい競争の中で、私は勝ち続け、『ザ・マン』になった」

リンチは現在、王座戦のことで手いっぱいだが、今回のUSA移行で注目度が高まれば、NXTの女子レスラーたちに狙いを定める可能性もある。

多忙なスケジュールゆえ、いまリンチにはNXTを細かく追う余裕はないはずだが、めぼしい若手女子レスラーは全員チェック済み。誰が「『ザ・マン』のレベルまで上がってくるか」楽しみにしており、ライバルを発掘するために、必要なら自分からNXTに乱入することも辞さないという。

「私はいい競い合いができる場所へ行く。誰でもいい、ライバルと呼べる相手がいるなら、私のほうから乗り込んで行く」

最後に新時代を迎えるNXTのレスラー全員に、リンチはこんなアドバイスを送った。

「頑張れ。他の誰よりも必死になってもっと頑張れ。そして失敗を恐れるな。失敗はするもの。でも、逆転のチャンスは常にある。どんなピンチでも、復活は不可能じゃない。だから、頑張り続けろ。リスクを冒せ。それはとても大事なことだから」


20191001issue_cover200.jpg
※10月1日号(9月25日発売)は、「サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。

[2019年9月24日号掲載]

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:日本の不動産は「まだ安い」、脱ゼロインフ

ビジネス

米モルガンSが日本特化型不動産ファンド、1000億

ワールド

中国格付け、公的債務急増見込みで「A」に引き下げ=

ビジネス

トランプ氏、対中関税軽減も TikTok売却承認な
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    石けんや歯磨き粉に含まれるトリクロサンの危険性──…

  • 5

    赤ちゃんの泣き声を無視できないのは「うるさいから…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    2つのドラマでも真実に迫れない、「キャンディ・モン…

  • 5

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「日本のハイジ」を通しスイスという国が受容されて…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    「なぜ隠さなければならないのか?」...リリー=ロー…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:引きこもるアメリカ

特集:引きこもるアメリカ

2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?