最新記事

プロレス

「ザ・マン」と呼ばれる女子プロスター、ベッキー・リンチが語るキャリアのこと

No More Dancing Leprechaun

2019年09月25日(水)17時20分
フィリップ・マルティネス

今年6月にカリフォルニアで開催された「2019 MTV Movie & TV Awards」の会場に姿を見せたリンチ Mike Blake-REUTERS

<性別の違いを超越した「ザ・マン」と呼ばれるリンチの下積み時代と後に続く女子レスラーへのメッセージ>

世界最大のプロレス団体WWE(ワールド・レスリング・エ ンターテインメント)の下部組織、NXTはレスラーたちの優れたパフォーマンスとネット特番『テイクオーバー』の面白さを武器に短期間で知名度を上げた。9月からはついに有料放送USAネットワークで全米向けライブ中継に移行している。

プロレス関係者は、この移行を興味津々で見つめている。WWEの主力ブランド、『ロウ』の大会での現女子世界王者であり、かつてNXTのスーパースターだったベッキー・リンチもその1人だ。

「すごく大きな動き。これからどうなるか、とても興味がある」と、性別を超越した存在というニュアンスを込めて「ザ・マン」と呼ばれるリンチは本誌に語った。「小さな会場で40~50人の観客を前にやってたときから、ここまでの成長は本当にすごい。ブルックリンで最初の大きな『テイクオーバー』があって、次はブランド独自のテレビ契約。可能性は無限大よ」

自分がNXTにいた時代から、大きな成長の可能性を秘めた特別な何かを作っているという実感があったという。

WWEの2大ブランド『ロウ』と『スマックダウン』とそのテレビ放送を支えるスターの多くはNXT昇格組だ。セス・ロリンズ、ブレイ・ワイアット、フィン・ベイラー、シャーロット・フレアー......。だがNXTが生んだ最大のスターといえば、やはり「ザ・マン」だろう。

そのキャリアは必ずしも平坦な道のりではなかった。13年、アイルランド出身のリンチがNXTにデビューした時点では、お気楽なダンス好きの妖精風キャラ設定だった。後にWWE最大のイベント『レッスルマニア』のメインを張る女子レスラーとしては最高の出発ではないが、リンチは後悔していない。「確かにNXTのデビューは色物キャラだったけど、そこから自分を変えて、成長し続けてきた。観客の前でひどい負けも経験した。それでも私はそんな自分を脱ぎ捨て、再び立ち上がる。後悔なんかしていられない」

成長させてくれた舞台

NXT時代の2年間はミスや失敗もあったが、このときの苦労が結果的に「ザ・マン」の下地になった。

「デビュー当時は自信を失っていた。何度も解雇寸前まで行って、いつも仕事のことを心配していた」とリンチは言う。「でも、心の奥では自分に言い聞かせていた。私はすごいことができる、チャンスが来たら絶対に 逃がしちゃダメだって。だから今から(NXT時代を)振り返って、自分の役に立ったなって愛情を込めて言える。私に『負けるもんか』と思わせて、たくさんの力を与えてくれた」

【参考記事】日本のプロレスが海外で人気爆発! 新日本プロレス・メイ社長に逆輸出の秘訣を聞いた

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    メーガン妃とヘンリー王子の「単独行動」が波紋を呼ぶ

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 5

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 4

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 5

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 4

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

  • 5

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること