ロトで高額当選したシングルマザーが唯一欲しいと願っていたもの
宝くじの波及効果
英ガーディアンの記事によれば、1994年に英国で作られたジャック・ポットは、2012年までに3000人のミリオネア(億万長者)を創出し、85億ポンド(約1.1兆円)以上を放出してきた。各当選者に渡った金額の平均は、280万ポンド(約3.6億円)で、調査会社のオックスフォード・エコノミクスは、そのうち59%がすぐさま仕事を辞める一方で、19%は働き続け、31%がボランティアなど収入のない仕事に従事しているという。
イギリス経済にとっての朗報は、98%の人が英国内で当選金を消費していること。使途は不動産や車などを購入したり、旅行など。試算すると、各当選者の使うお金のおかげで、6人の労働者がフルタイムの雇用を保持できていることになる。
さらに当選者のGDPへの貢献は、7.5億ポンド(約970億円)にのぼり、手に入れた資金を元手に投資に回す金額は、21億2500万ポンド(約2750億円)に到達する。平均して2.7戸の不動産を所有し、約82%というほとんどの当選者が、住居を変えたという報告がある。
また、宝くじの当選を機会に、15%の人が事業を始めたり、15%がビジネスへ何らかの資金提供を行ったりしているうえ、当選者が関わったビジネスによって、3000人以上の雇用を生み出されている。
このレポートを執筆したアナリストの1人であるアンディー・ローガンさんは、「宝くじの当選者による経済効果は、非常に広範囲に、さらに深い影響を英国社会に与えている」と話す。友人や家族と言った小さなグループの中だけでなく、英国経済そのものへもインパクトを与えているのだ。さらにこの(経済的)波及効果は世代を超え、多くの場合、次の世代へも引き継がれていることが分かっているという。
今年1月、英国宝くじ史上最高額の1億1490万ポンド(149億円)が当たった北アイルランド在住のコノリー夫婦。最初にしたことは「当選したお金を、分け与えたい人たち50人を二人でリストアップした」というほどの良心的なカップルだ。これまで製造業に従事してきたコノリーさんは、早々と仕事をリタイヤする予定で、新しい車を買い、家を買い、そして夫婦でモルジブへ旅に出ることを計画中だという。
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