30歳目前、シングル女性がありのままの自分を肯定するためのヒントとは
ヒロインは29歳の出会い系アプリユーザー
『ほんと、めちゃくちゃなんだけど 完璧ではないわたしのしあわせの見つけかた』という本がある。
長編小説である本書の主人公の名はエレノア・ナイト、通称はエリーだ。ロンドン在住で、特定の彼氏はおらず、キャリアもぱっとせず、出会い系アプリで男と知り合って別れてを繰り返し、それでも父親の誕生日には一緒にバーに出かけていくような、29歳の女性である。
英国で発売と同時にベストセラーになった『HOT MESS』の日本語版である本書には、「呪い」を解くヒントが多く含まれている。その一部をご紹介しよう。
エリーが、自宅の屋根裏で自分の荷物を整理していたときのことだ。
で、わたしはティーンエイジャーのときの古い日記を見つけたんだけど、これがひどい内容だった。ページをめくるたびに、自己嫌悪ばっかり。それを見て気づいたよ。わたし十五年経っても、同じひどい言葉を鏡に映る自分に使ってるって。もうこんなのイヤだって、はっきり思った。
そして彼女は、ある思いに至る。
これからの十五年間を、自分を友達には絶対使わないような呼び方で呼んで過ごしたくない。年老いたとき、自己嫌悪で過ごした人生を振り返りたくない。そんなの悲しすぎるよ。
そして彼女はインスタグラムを通じて、ボディ・ポジティブ、つまり自分自身の体型を肯定していくというアイディアを自分のものにしていく。
太めの女がセクシーだって、ゆっくりだけど気づいた。そして、痩せててもセクシー。みんな、ないものねだりなんだってこともわかったよ。痩せてる女は肉を増やし、太った女は減らしたがる。
そしてこの思考の果てに、彼女はあることを発見する。
わたしたちは常に落ち込んで、不満を持つようにプログラムされてるんだ。でもわたしたちは、自分を再プログラムできる。
プログラム=呪いに勝つためには、自分で自分を再プログラムしてしまえばいい。彼女は苦しみのなかで、そのことを発見したのだ。
その再プログラムの結果、彼女にどんな運命が訪れたのか。読み終えたとき、あなたの抱える息苦しさがすこし解消されているかもしれない。
『ほんと、めちゃくちゃなんだけど
完璧ではないわたしのしあわせの見つけかた』
ルーシー・ヴァイン 著 森信太郎 訳
CCCメディアハウス