命知らずの自撮りが「クール」の証⁉ 死者が多すぎて「セルフィー教育」の必要性が指摘される...
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<線路内、自然災害の現場、高層ビルの屋上......人とは違ったユニークな投稿を追い求めすぎて命を落とす若者が急増>
老若男女あらゆる人にスマートフォンが浸透し、写真や動画は身近なものになった。一昔前には存在しなかったサービスや交流の形をつくり、メリットをもたらしてくれるはずのデバイスだが、先ごろ、使う人のモラルの重要性を再確認させられるニュースが報じられた。
全インド医科大学の研究者らの報告によると、2011年10月~2017年11月にセルフィーを撮ろうとして死亡した人数は累計259人にのぼった。
年別でみると、2011年には3人だったのが急増し、2015年は50人、2017年は93人に達した。昨年の死者には、高層ビルの屋上や危険な高所(基本的に立ち入り禁止)で写真や動画を撮り配信する「ルーフトッパー」の中国人ヴォン・イオンニン(26)も含まれる。皮肉にも、彼の最期は自ら設置したカメラによって捉えられていた。
【参考記事】日本の写真は「自撮り、食べ物、可愛いペットが多い」
「クール」への憧れ? 男性が7割超え
ジャーナル・オブ・ファミリー・メディシン誌に9月4日に掲載されたレポートから、さらに細かい情報が読み取れる。
セルフィーを試みて事故死したのは、男性が圧倒的に多く、全体の72.5%を占める。20~29歳の年齢層が最も多く、平均年齢は22.94歳。研究者らは、若者たちの「クールでありたい」という願望が起因するとみている。つまり、危険なエリアでの命知らずの行動を収めたセルフィ―をSNSに投稿し、他人から「いいね」やポジティブなコメントをもらうことが「クール」の証だと思っているという。
死因で多かったのは、溺死(70人)。次いで、走行する列車の前に侵入するなど輸送機関に関連するケース(51人)、高所からの転落死(48人)。このほか、感電や動物、銃器によって引き起こされている。昨年6月に米ミネソタ州では、10代の女性が恋人を誤って撃ち殺す事故が発生(NYタイムズ)。地元紙ミネアポリス・スター・トリビューンによると今年3月、この女性に対し180日の懲役刑が言い渡された。
大抵の女性の場合、危険な写真や動画で「いいね」を得ようとする傾向はあまり見られない。危険なものより、「可愛い」、「センスがいい」、「羨ましい」と思われることを目指す傾向がある。使う道具やスポットは、高級ブランドバッグや新作コスメ、クルージング、海外の豪華リゾートといった具合に、男性とは対称的に安全だ。