TPPは参加国の利益を損なう
2015年5月21日(木)18時21分
プライバシー保護も同様だ。マレーシアでは13年に、企業が本人の承諾なしに顧客の個人情報を収集することを禁じた画期的な法律を施行したが、USTRによると、これも貿易障壁になる。カナダのノバスコシア州とブリティッシュコロンビア州は、公共機関が管理する個人データの国外持ち出しや国外からのアクセスを禁じているが、USTRはこの制度も問題にしている。
「プライバシーを守るための規制に文句をつけられては、黙っていられない」と、市民団体「カナダ人評議会」のスジャータ・ダイは怒る。
このほかUSTRが挙げる貿易障壁には、食品の保健機能表示に関する日本政府の「煩雑な規制」や、メキシコ政府が「病害虫の防除のために」アメリカ産の桃、ネクタリン、杏の検査を強化したことなどが含まれる。
オバマ大統領は今月初め、スポーツ用品大手ナイキの本社を訪れ、TPP支持を呼び掛ける演説を行った。ここでオバマがTPPを「歴史上最も進歩的な貿易協定」と呼んだのはお笑いだ。
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