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米大統領選「オバマはアフリカ生まれ」を蒸し返すこの男
オバマはアメリカ生まれではないから大統領の資格なし、と言い張る不動産王ドナルド・トランプに、共和党の大統領候補ロムニーも迷惑顔
支持は欲しいが トランプ(左)のオバマ攻撃にはロムニーも距離を置く Steve Marcus-Reuters
バラク・オバマ米大統領はアメリカ生まれではなく、大統領の資格がない――不動産王のドナルド・トランプは、またもこの問題を蒸し返して大統領選の最重要争点にしようとしているようだ。一時は共和党から大統領選への出馬も検討していたトランプは、オバマの出生地疑惑をたびたび主張。昨年には、ホワイトハウスがオバマの出生証明書を公表することで事態は収まったかに見えた。
ところがトランプは最近、CNNテレビの番組内の電話インタビューで、ホストのウォルフ・ブリッツァーと以下のような議論を戦わせた。
ブリッツァー:ドナルド、君に言っておかなければならないんだが、君の主張はちょっと滑稽に聞こえるようになってきたよ。
トランプ:それは君の方だ、ウォルフ。君の言っていることこそ滑稽じゃないか。私に質問したいのなら、答えさせてくれよ。
ブリッツァー:よし、じゃあ質問だ。1961年に、ホノルル・スター・ブレティン紙とホノルル・アドバタイザー紙が相次いで、ハワイでオバマが生まれたことを誕生欄に掲載した。この時から陰謀は始まっていたと言うのかい?
トランプ:この手の告示を出す人は多いが、アメリカで生まれたことにして恩恵を受けたいからだ。そうした事例は数多くある。アメリカで生まれていないのにやっている人は多い。周知の事実だ。
同じ日の朝、トランプはさらにケーブルテレビ局CNBCにも電話出演。ここでもやはり、出生に関するオバマの説明は不十分だと主張した。オバマが1年以上前に出生証明書を公表しているにもかかわらず、だ。「何をもってしても私の考えを変えることはなかった」と、トランプは語った。
昔のプロフィールで疑惑再燃
トランプが疑惑を主張し続けるのは、最近になって見つかったオバマの昔のパンフレットが発端のようだ。かつてオバマの著作権を扱っていた代理人が発行していた宣伝用のパンフレットのプロフィールに、ケニア生まれと誤って記載されていたのだ。これにより、オバマがアメリカ生まれのアメリカ人ではないという噂が、再び浮上することになった。
CNBCによると、騒動後すぐに、このプロフィールを書いた担当者が名乗り出て、これは単なる事実確認のミスだったと釈明したという。
トランプはCNBCでこう語った。「何年も前の90年代に、若かりしオバマが本を書いて、自分で出版社に提供したプロフィールについて、担当者が今ごろになって現れた。そして驚いたことに、『あ、間違えていました』と言われてもね」
トランプの一連の発言は、共和党の大統領候補ミット・ロムニーのラスベガスでの集会にトランプが参加するほんの数時間前のことだった。だが、トランプの支持を受けて選挙戦を戦っているロムニーは、彼の発言からは距離を置いている。明確に非難したりもしていない。
「私は私を支持してくれているすべての人々の意見に賛同するわけではない。私の支持者も、私が信じることすべてに賛成してくれるわけではないだろう」と、ロムニーは先週語った。「だが私には過半数の国民の支持が必要だし、多くの善良なる人々が私を支持してくれていることには感謝している」
From GlobalPost.com