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麻薬カルテルつぶしはマリフアナ合法化で

2010年7月30日(金)13時08分
R・M・シュナイダーマン

 現在、マリフアナの栽培が合法とされる国はない。しかしアメリカとメキシコの国境近辺で麻薬絡みの暴力沙汰が続くなか、メキシコの麻薬カルテルを弱体化させるためにアメリカはマリフアナを合法化すべきだとの声が専門家や政治家から上がっている。

 カリフォルニア州では11月に、マリフアナの栽培と販売の合法化をめぐる住民投票が行われる予定。合法化が認められればカリフォルニアは国内向けのマリフアナの一大供給源になるかもしれないと、米シンクタンクのランド研究所は指摘する。税込み価格が80%以上安くなる可能性もあるという。

 専門家の試算では、麻薬カルテルは利益の20〜50%をマリフアナ取引で得ている。しかし「競合」が出現すれば「大打撃を受けるだろう」と、ウィリアム・アンド・メアリー大学のジョージ・グレイソン教授は言う。

 もちろんその効果は税率次第だ。1オンス(28グラム)当たりの税金が50ドルにもなれば、上等なカリフォルニア産も安価なメキシコからの輸入品に価格競争力では勝てない。しかしもっと税率が低ければ、麻薬カルテルの市場シェアを奪えるはずだ。たとえカルテルをつぶせなくても、その力を抑える上では有効だろう。

[2010年8月 4日号掲載]

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