検察官と寝た裁判官のトンデモ死刑判決
死刑囚の弁護人デービッド・ダウは新著『ある死刑の自叙伝』の中で、訴訟のあらゆる段階で責任回避がなされている死刑制度を批判している。現状では、陪審員がほかの陪審員の陰に身を隠し、裁判官は陪審員の評決の陰に身を隠す。そして上訴審は黙って原判決を支持し、最高裁も「釣りに出かけています」という看板を掲げているかのように何もしない。
フッドが殺人を犯したことを世間はほぼ確信しているから、ある段階で不正が行われた可能性は重要でなくなる。しかし、たった1行の棄却文のほうがチャールズ・フッドのような人間よりも正しいと思うなら、それは間違っている。
裁判官のひどい偏見が判決になってしまうような司法制度の中で、フッドは死刑を宣告されたのではないか。そして私たちも、こうした制度の中で生きていかなければならない。