月面着陸はでっち上げ?!
アポロ計画の関係者が陰謀論者に遭遇すると、「事件」に発展することがある。月面に降りた2番目の宇宙飛行士エドウィン・オルドリンは、ビデオ映画『月への旅の途中で起こった奇妙な出来事』を製作したバート・シブレルに「臆病者」「嘘つき」などと嘲笑され、顔面に一発お見舞いした。
アポロ14号に乗船したエド・ミッチェルも、月面着陸否定派の尻を蹴っ飛ばしたとされる。アポロ17号のユージン・サーナンはもっと上品な対応を心掛け、相手にこう言った。「私が月面に残した足跡を誰も奪うことはできない」
バッド・アストロノミーのプレートは以前から、このような言葉を聞くと胸が熱くなったという。子供の頃に見た月面着陸の光景は、40年後の今も鮮明に覚えている。
01年に陰謀説が再燃した後で開設したブログは、今では権威ある科学誌ディスカバーのウェブ・コンテンツの1つだ。「陰謀論者を見るとへどが出る」と、プレートは言う。「いつの時代にも偉業にけちをつける者はいる。連中を排除するのが私の仕事だ」
プレートは月面着陸100周年を心待ちにしている。その頃には捏造派の人間が月へ行き、宇宙飛行士の足跡をその目で確かめられるようになると思うからだ。
[2009年8月 5日号掲載]