クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた考古学者が「証拠」とみなす「見事な遺物」とは?
'Remarkable' Collection of Artifacts Unearthed in Ancient Egyptian Temple

最新の出土品がクレオパトラとの関係を物語るか HANDOUTーLATIN AMERICA NEWS AGENCYーREUTERS
<神殿跡から見つかった遺物は、タップ・オシリス・マグナ神殿こそがクレオパトラの埋葬された墓だという仮説を裏付けることができたのか──>
古代エジプトの神殿跡で出土した「見事な」遺物──。エジプト観光・考古省は昨年12月、アレクサンドリア西郊の古代都市タップ・オシリス・マグナで、エジプトとドミニカ共和国の合同調査隊が彫像や陶器、硬貨を新たに発掘したと発表した。後期プトレマイオス朝の歴史を掘り下げる鍵になるという。
【画像】クレオパトラの小像?エジプト観光・考古省のフェイスブック投稿
紀元前304年に始まったプトレマイオス朝は、紀元前30年に古代ローマに滅ぼされた。タップ・オシリス・マグナの神殿は、冥界の神オシリスにささげるべく、紀元前3世紀にプトレマイオス2世が建立したとされ、歴史的・考古学的に重要な価値がある。
「最後の女王」クレオパトラ7世と関係する可能性がある神殿としても有名だ。この場所こそ、クレオパトラが埋葬された墓だという仮説を、学者たちは唱えてきた。
今回の大きな発見の1つが、王冠姿の女性の白大理石製の小像と、縞模様のファラオの頭巾ネメスを着けた王の石灰岩製の胸像だ。女性像はクレオパトラをかたどったものだと、発掘調査を率いるドミニカの考古学者、キャスリーン・マルティネスはみている。
だがエジプト考古最高評議会のモハメド・イスマイル・ハレド事務局長の指摘によれば、ほかの専門家はクレオパトラ説に賛成していない。顔の特徴が、クレオパトラとして判明しているものと異なるためだ。別の王族女性の彫像である可能性も否定できない。
今回の発掘調査はタップ・オシリス・マグナの歴史的意義を浮き彫りにしたと、観光・考古省は評価している。「後期プトレマイオス朝の建築・文化・儀式慣行の理解を深める上で、極めて重要な成果としてたたえる」
「発掘調査は今後も継続される。(タップ・オシリス・マグナの)神殿の秘密と、クレオパトラ7世の治世との関わりをさらに解明するためだ」