対話型AI「Bard」発表のグーグル、社員から「急ぎすぎ」「近視眼的」と怒りの声が上がる理由
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<マイクロソフトの躍進に焦るグーグル...社員からは「非グーグル的」などと批判の声が上がっている>
マイクロソフトは米国時間2月7日、検索エンジン「Bing」に対話型AIを搭載すると発表。これは同社が出資し「ChatGPT」などを展開するAI開発企業・OpenAIの技術を活用したものだ。
同社はOpenAIに最大で100億ドル(約1兆3308億円)という巨額資金を投資する見込み。OpenAIの独立性を維持しながらも、その研究成果を積極的にマイクロソフト製品へと取り込んでいく方針だ。
また今後は「Bing」だけでなく、「Word」「PowerPoint」「Outlook」といったツールにもAIを導入し、そのデモを2023年3月にも披露する予定ではないかと報じられている。
そんなマイクロソフトやOpenAIに対抗すべく、検索最大手であるグーグルも、同社が開発してきた「LaMDA(Language Model for Dialogue Applications:対話アプリケーション用言語モデル)」を基盤とした対話型AI「Bard」を開発。米国時間2月6日に公表していた。
だが、グーグル社内では「Bard」の発表は「急ぎすぎ」などといった不満の声も上がった。
CNBCが米国時間2月10日に報じたところによると、グーグルの内部フォーラム「Memegen」上では以下のような投稿がなされたという。
「サンダー・ピチャイCEOへ。『Bard』の発表もレイオフも急すぎて失敗に終わりました。近視眼的すぎます」
「サンダーもリーダーシップも『Perf NI(グーグルの人事評価制度における最低評価)』の評価がふさわしい」
「彼らは笑ってしまうほど近視眼的で、『選択と集中』に欠けており、非グーグル的だと言える」
確かに「Bard」の発表時にはあまりにも情報不足だったし、欧州時間2月8日開催のイベント「Live from Paris」はとっておきのタイミングだったのにも関わらず、あまり多くは語られなかった。
さらに、公式ブログにおいて「Bard」による誤回答を掲載していたとして、グーグル親会社アルファベットの株価は一時9%ほど下落した。
なお、実はマイクロソフトによる「Bing」の発表時にも多くの誤回答があった。エンジニアのディミトリ・ブレアトンが米国時間2月14日のブログ投稿で明かした。
現状は誤回答の生成など多くの懸念が残る対話型AIだが、今後は本格的な社会実装に向けて、いかなる進化を遂げていくのだろうか。