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「犬は飼い主に忠誠心をもつ」は間違い 研究で判明した「犬が本当に考えていること」

2022年11月26日(土)18時40分
鹿野正顕(ドッグトレーナー、スタディ・ドッグ・スクール代表) *PRESIDENT Onlineからの転載

鹿野正顕『犬にウケる飼い方』群れで生活する動物には、危機に瀕(ひん)している仲間を助けようという行為は珍しくありません。社会性のある動物は、群れを維持していかないと自分の生存も危ぶまれるからです。
 
たとえばゾウの集団では、子ゾウを協力して助けたり守ったりしますが、それは群れ・集団の維持のために仲間を守る行為なのです。
 
そうした行動は、ときに自己犠牲をともなう"利他的"な、見返りを求めない無償の行為に見えることもあります。しかしそこには「自分の生存にも関わる」という動物の本能がはたらいているはずなのです。

忠犬ハチ公の真実

犬は人間が好きですが、"欲求の期待に応えてくれる存在"が好きなので、人に飼われても、不満やストレスばかり抱えるようだと何年飼っても恩義や忠誠心のようなものは抱きません。

ちなみに、有名な「忠犬ハチ公」の話がありますが、ハチは飼い主だった大学の先生を、亡くなった後もずっと駅で待ち続けていたわけではなく、好物の焼き鳥をくれる人を待っていたのが真実だそうです(諸説あり)。ハチの剝製は東京の国立科学博物館に現存していますが、解剖した際にハチの胃袋からは焼き鳥の串がいくつも出てきたそうです。

鹿野正顕(しかの・まさあき)

ドッグトレーナー、スタディ・ドッグ・スクール代表
1977年、千葉県生まれ。麻布大学入学後、主に犬の問題行動やトレーニング方法を研究。「人と犬の関係学」の分野で日本初の博士号を取得する。卒業後、人と動物のより良い共生を目指す専門家、ドッグトレーナーの育成を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立。2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得。日本ペットドッグトレーナーズ協会理事長、動物介在教育療法学会理事も務める。プロのドッグトレーナーが教えを乞う「犬の行動学のスペシャリスト」として、メディアでも活躍中。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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