最新記事

ウェアラブル端末

Snapchatのカメラ搭載サングラスは、グーグルグラスの二の舞になる?

2016年10月12日(水)17時30分
高森郁哉

 米NEWSWEEKは、起業家のブライアン・ロメール氏によるSpectaclesとグーグルグラスの比較考察を掲載している。

glass1012.jpggoogleのラリー・ペイジ(左)とSnapchatのエヴァン・スピーゲル(右)


Spectaclesは......
問題を1つだけ解決:「たった今」の動画や写真を迅速に共有する。
個性的なサングラスを介して、自分が12〜24歳程度のSnapchatユーザー仲間だとアピールする。

グーグルグラスは......
問題を1つも解決しない:初期ユーザーにとって、グラスに表示される通知はごく限られていたので、それ以外の通知を見るために、接続されたAndroidデバイスにアクセスする必要があった。時間の節約にならなかった。

グラスを装着すると、自分が過剰に「裕福」であり、ありがたくない呼び名「グラスホール」(Glassとassholeを合わせた造語で、"メガネ馬鹿"といった意味)の仲間だと示すことになった。

社名変更と「カメラ会社」

 長い目で見ると、2つめの社名変更の発表のほうが重要かもしれない。同社はニュースページの投稿で、「これまではSnapchatアプリが唯一の製品だったので、Snapchat Inc.という社名は合理的だった。今後はSpectaclesのような他の製品も開発していくので、それを示す社名が必要になった」と説明している。

 さらに興味深いことに、同社サイトのトップページで、「Snap Inc.はカメラ会社です。当社は、カメラを改革していくことにより、私たちの生活やコミュニケーションの方法を、更に素晴らしいものにできると確信しています」と宣言。この文章からは、今後はアプリよりも、革新的なカメラ関連製品の開発に注力していくことがうかがえる。

2017年テック界最大のIPOになるか

 Snapchatの特徴は、投稿した写真や動画が保存されず、10秒以内に消えてしまうこと(お化けのアイコンが「消える」機能を象徴している)。2011年にリリースされた当初はこの消える機能に対して否定的な見方もあったが、若い層に爆発的に普及したことで、近年はそうした比較的低い年齢層にリーチしたい企業のプロモーションに活用されるケースも増えてきた。

 Snapは今のところ未公開企業だが、これまでに何度か大型の資金調達を実施しており、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の記事によると、現在の企業価値は160億〜220億ドルだとみられるという。WSJの別の記事では、同社のIPOは早ければ来年3月にも実現し、企業価値はさらに250億ドルかそれ以上に跳ね上がる可能性もあると予想している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中