【インフォグラフィック】動画の王者ネットフリックスの圧倒的な帯域幅占有率
月額10ドルかそこらでテレビ番組や映画、音楽をほぼ無制限に楽しめようになったおかげで、北米の消費者たちは、違法な交換から合法で手頃な価格のサービスへと乗り換えたようだ。Hulu(フールー)やスポティファイといったシンプルで使いやすいインターフェイスが利用できる今となっては、大半の人がファイルを共有しなくなったのも当然だろう。
サンドバイン社のダン・ディースは、ウェブメディア「マッシャブル」の取材にこう答えている。「私の母は、ビットトレントの使い方は知りませんが、ネットフリックスの使い方はちゃんとわかっています」
ネットフリックスとビットトレントのほかにも、勝者と敗者はいる。YouTubeは依然として短時間の動画ストリーミングでトップを走っているが、フェイスブックは巨大化し続けており、今後は動画配信において、この2社による主導権争いが展開されるだろう。アップルも楽観視できそうだ。iTunesでの個別楽曲のダウンロードは減少しているが、ストリーミング形式の音楽配信サービス、アップルミュージックがその減少を埋め合わせている。
一方、一般的なウェブ閲覧を表すHTTPの帯域幅占有率は、昨年から50%近く落ち込んでいる。これは、アプリの急増が標準的なウェブページの人気に食い込んでいるためだろう。ますます多くのユーザーが、サファリやクロームなどのブラウザでコンテンツを探して見るのではなく、必要なサービスに直行するようになっている。
とはいえ、この調査報告の結果は、現実から歪められている可能性がある。先ほど述べたように、サンドバイン社は固定回線のみに着目しており、スマートフォンなどモバイル機器による閲覧を分析していないのだ。モバイルでは、ノーカット版の映画鑑賞よりは、一般的なウェブ閲覧のほうが多い可能性が高い。
今のところ帯域幅は、少数のプレイヤーたちに占められている。ネットフリックスとYouTubeだけで、北米のオンライン使用の50%以上を占めているのだ。しかし、ビットトレントが残してくれた教訓を忘れてはならない。この世界では、わずか数年でシェアが激変する可能性もあるということだ。