「ハンガーを1本たりともごみにしない」...日本コパックが30年かけて築いた循環型システム
日本コパックの物流用ハンガー
<アパレル業界の物流用ハンガーを製造販売する日本コパック株式会社は、30年以上前からリユース・リサイクル事業に取り組むSDGsの先駆者だ。業界を巻き込んで構築した循環型システムの原点は、当時の社長が「夢の島」で見た衝撃的な光景だった>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
リサイクル事業への挑戦を決意させた一言
アパレルメーカーは、商品を工場から店舗に輸送する際にしわがつかないようハンガーに掛けて出荷している。その際に使用される「流通ハンガー」を長年にわたり生産している日本コパック株式会社は、アパレル業界を陰で支えてきた老舗だ。
日本コパックは90年代初頭に、業界ではいち早く使用済みハンガーのリユースとリサイクルを始めた。きっかけは、当時の社長だった斉藤建三氏が、東京都のごみ埋立地「夢の島」を訪れたことだ。そこで目にしたのは、大量の自社製ハンガーだった。
ハンガーは曲線部分があるため、つぶしても再び膨れてしまうなど、廃棄物のなかでも扱いにくいものとされてきた。「ハンガーくらい厄介なごみはない」という処理場の担当者の言葉に衝撃を受けた斉藤社長は、リサイクル事業の必要性を痛感。そして、「ハンガーを1本たりともごみにしない」という強い決意を胸に、挑戦に乗り出した。
当時、アパレル業界でリサイクルに取り組む企業はほとんどなかったが、日本コパックは1992年に使用済みハンガーの回収、リユース、リサイクルを本格化。百貨店や量販店など多くのアパレル企業に協力を呼びかけ、業界全体を巻き込む循環型システムをつくり上げていった。
しまむらと実現した「完全循環型システム」
その中でも特に先進的なのが、2007年から大手アパレル企業のしまむらと協働で展開している、完全循環型リサイクルシステムだ。しまむらグループで使用されたハンガーやビニール袋を再資源化し、再びハンガーやビニール袋にしてしまむらで使用するという独自のサーキュラーエコノミーを構築した。
具体的には回収したハンガーなどをまずは日本コパックの国内関連工場で再資源化し、その材料を活用して中国やASEANの同社工場でハンガーやビニール袋を製造、再びしまむらで使用するという仕組みだ。
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