脱炭素に向けた「東北初」の試みとは? ごみ収集車のCO2排出量削減を目指す、宮城衛生環境公社の本気度
23年5月からは、試験的に次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用したごみ収集車の運用を開始。サステオは株式会社ユーグレナが開発した軽油に代わる持続可能な燃料で、同社のごみ収集車はこれを使用して東北地方で公道を走行する初めての車両となった。
宮城衛生環境公社は、この他にも省エネの徹底や自家消費型の再生可能エネルギー設備等を導入した太陽光パネルのリサイクル施設の建設、水源地保全育成事業への参画など、脱炭素化の推進に向けた活動を実施している。
これらの継続的な取り組みが評価され、今年4月には北日本エリア(北海道・東北地方)で初となる「エコ・ファースト企業」に認定された。エコ・ファースト企業とは、業界における環境先進企業であることを環境大臣が認定するものだ。
「当社の規模の会社でもできることをコツコツと行ってきた結果、総合的に認めてもらうことができました。より多くの企業が気候変動の問題やSDGsの取り組みについて意識し、行動を行うきっかけになるようにというファーストペンギンとしての役割を北日本エリア企業として担っていると考えています」と、砂金氏は語る。
「当社の理念は『明るい衛生環境づくり』です。これからも明るい衛生環境を守るために取り組んでいきたいと思います」
地球規模の課題を解決するには、一人ひとりが自覚を持って取り組まなければならない。脱炭素に向けてできることから一つひとつ着実に取り組んできた同社の姿勢には、地方の中小企業を鼓舞し、「身近にもSDGsのためにできることがある」と示す説得力があると言えるのではないだろうか。