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地産地消の料理に込めた未来へつながる地域づくり──鳥取県「やど紫苑亭」が目指す「サステナブルな宿ナンバー1」への道

2024年10月30日(水)11時25分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

取引先農家の中には、規格外の野菜をペーストにして福祉施設へ寄付をしたり、有機肥料を開発して、海に流れる化学物質を減らす取り組みをしたりしているところもあり、地域一体で地産地消による廃棄物削減や資源循環を目指している。

加えて、やど紫苑亭は旅館の外でも地域に貢献。海岸のクリーンアップ活動や継手に困っている蔵元が地元米にこだわって作っている酒米の田植えや稲刈りを従業員が手伝うなど、地域一丸となって地元を盛り上げようと活性化につながる幅広い活動に参加している。

鳥取の自然、文化、人材を守る

やど紫苑亭のプライベートギャラリー

人間国宝の作品を展示するプライベートギャラリー

取り組みは「食」だけにとどまらない。宿の建材には、地元産の智頭杉(ちづすぎ)や因州和紙を使用。鳥取県在住者として初めて重要無形文化財(人間国宝)に認定された前田昭博氏の陶芸作品などを展示するギャラリーも併設し、地域の伝統工芸や文化を積極的に発信している。

さらに、館内の換気システムを効率化して省エネも推進。衛生管理には環境に優しい殺菌・消臭水を使用するなど、環境への配慮も細部まで徹底している。

「やど紫苑亭の提供する食事、建築物、展示物、雇用は、鳥取の自然環境、文化、人材を守ることと表裏一体です」と、大石氏は語る。

持続可能な地域をつくる好循環の起点となっている、やど紫苑亭。「国内外から選ばれるサステナブルな宿ナンバー1」を目指すその挑戦はまだ始まったばかりだが、地域とのつながりを大切にした地道な活動を積み重ねることで「鳥取から世界へ」大きなインパクトを与えるかもしれない。

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