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トマトジュースで生産も消費も持続可能に。生活クラブが進める新しい農業モデル

2024年10月9日(水)11時30分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

生活クラブの完熟トマト

収穫したトマトは約20㎏ずつケースに集めて出荷する

サステナブルな仕組みで生まれる信州トマトジュース

こうして出来上がるのは、露地栽培の完熟トマトを搾ったままの「ストレート・トマトジュース」。濃縮還元ではなく、水を一滴も加えないため、旬の時期に収穫したトマトの味わいが一年中楽しめる。人気のジュースだ。

信州トマトジュースを生み出す仕組みがサステナブルなのは、ボランティアに頼っていない点にある。作業に協力した組合員の人件費や交通費もジュースの原価として価格に反映される。トマトジュースを買うこともまた、間接的に現地の「農業」を成立させる仕組みとなっているのだ。そして、ジュースの価格は毎年変動する。

SDGsという枠組みが生まれるずっと以前から、生活クラブは「つくる責任、つかう責任」を考えた活動を進めてきた。

1989年には「先進工業国で最も成功を収めた持続可能な生産と消費のモデルを作り出した」ことに対し、「第二のノーベル賞」とも呼ばれるライトライブリフッド賞を受賞。その後も、国際的なアワードを毎年のように受賞している。こうした積み重ねの上に、信州トマトジュースは生まれている。

組合員が生産現場に足を運び、生産者とともに働くことで、単なる商品購入者としてではなく、農業そのものに関わり、生産者との信頼関係を築く。そして幅広い世代が積極的に農業と関わることができる環境を作り出すことは、持続可能な農業の実現に向けた第一歩になる。

生活クラブの取り組みは、日本の農業を次世代に繋げていくための大きな原動力となるだろう。

【関連記事】
SDGsが生まれる前から...庄内地域で「食の安全」のその先へ、50年以上にわたる生活クラブの挑戦

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