ITを活用した業務改革で長時間残業を解消!ユーシステムが描く持続可能な労働環境の未来
「業務の見える化」では、まず社員全員で課題を抽出し、課題解決のための成果目標・行動目標を数値化したアクションプランを作成。そのPDCAを管理するシステムを開発することで、「どの業務にどれだけの時間がかかっているのか?」をリアルタイムで把握できる環境をつくりあげた。システムには、取引先との打ち合わせ内容や提案内容、商談の進捗など、案件の詳細も記録できるため、情報を探す時間や会議にかかる時間が大幅に減ったという。さらにプロジェクト管理と社内SNSを連携させたことも、情報共有や社内コミュニケーションの促進につながり、1年を通じて一人あたり216時間の会議時間削減を実現している。
一方の「柔軟な就業制度の整備」では、フレックスタイム制度や在宅勤務制度などの就業制度を整えたほか、職場と在宅の垣根をなくすためのICTツールやカメラ付きロボットも導入。より柔軟な働き方を提供することに成功した。
こうした取り組みは各方面からも高く評価され、女性が輝く先進企業表彰(内閣府特命担当大臣賞)やひょうご女性の活躍企業表彰、ひょうご優良経営賞兵庫県知事賞、ひょうご産業SDGs認証(アドバンスト)など、多くの表彰や認証を受けている。
成功体験をサービス化することで、持続可能な社会づくりに貢献
ITを活用した改革の好影響は、職場環境だけにとどまらず、事業展開の面にも及んでいる。自社の改革で得た経験やノウハウを新たにサービス化し、中小企業が直面する長時間残業や人手不足、IT活用などの課題解消の支援に役立てているのだ。
「当社の業務改革の成功体験を生かしているため、より説得力のあるソリューションやDX支援サービスを顧客にも提供することが可能になりました」と、佐伯氏は言う。こうした一連の活動は、SDGs目標8が掲げる「働きがいも経済成長も」への貢献にもつながり、持続可能な社会の実現を目指すというユーシステムの理念を体現するものでもある。
さらに現在は、異業種からの転職者やIT未経験者に向けて、生成AIを活用したリスキリング事業も展開。ITスキルの習得や持続可能なキャリアを築くための支援を行っており、こちらも社会、あるいは業界への貢献度が高い活動といえるだろう。
近年は、海外でもワークライフバランスの改善やジェンダー平等に取り組む企業が増えているが、ユーシステムの経験やノウハウは、日本のみならず海外においても応用可能なもの。長時間労働の改善や、DX推進を必要とする他国の企業が業務改革に取り組む際には、よきモデルケースになり得るだろう。
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