ITを活用した業務改革で長時間残業を解消!ユーシステムが描く持続可能な労働環境の未来
社内ミーティング風景。ITの活用で個人・グループ別の業務状況がリアルタイムで分かるようになり、コミュニケーションも活性化した
<長時間労働の是正や残業削減がすべての産業において急務となる中、特に情報産業ならではの3K環境(きつい・帰れない・給料が安い)の改善に成功したのが、株式会社ユーシステムだ。ITを活用した業務改革を推進し、誰もが安心して働ける職場を目指す>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
女性を含め、全社員が安心して働ける環境づくりを
少子高齢化による労働人口の減少や、多様化する労働者のニーズに対応するため、政府は 2019年4月に「改正労働基準法」を施行。長時間労働の是正や残業の削減は、すべての企業にとって急務となった。しかし、「思うように残業を減らせない」と悩む企業はいまだに多く、労働集約型の業界ではその傾向が顕著だ。情報産業もその一つで、業務が属人化しやすいことや24時間の対応を求められやすいことから、状況の改善に苦心している。
そうしたなか、ITを活用した業務改革に注力し、労働集約的な情報産業ならではの3K環境(きつい・帰れない・給料が安い)の改善に成功したのが、株式会社ユーシステムだ。
ユーシステムは2002年の設立以来、システム受託開発やホームページの制作、ITサポート、技術者派遣などを業務の軸とし、クライアント企業に幅広い支援を行ってきた。代表取締役の佐伯里香氏は、職場の業務改革を進めるに至った背景についてこう語る。
「根底にあったのは、すべての社員に安心して働き続けられる環境を提供したいという思いです。以前は、長時間残業が常態化していたため、多くの社員が疲弊し、女性社員は結婚や出産を機に退職せざるを得ないような状況でした。しかし、女性社員が半数以上を占める当社にとって、その状況は望ましくありません。そこで、長時間残業の解消と継続的な事業成長を目標に、業務改革に取り組むことにしたのです」
改革において、最も重視されたのはIT活用を軸にした「業務の見える化」と、「柔軟な就業制度の整備」だった。