最新記事
SDGsパートナー

環境と人体に優しい水系塗料を...... 菊水化学工業の塗料業界式サステナブル

2023年11月24日(金)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

創業から変わらない精神が、建築塗料業界の未来を変える

キクスイSA工法の施工前後比較

キクスイSA工法" Sustainable Aqua Veil Application Method"は、建物の美観を回復し長寿命化を可能にする完全水系の仕上げ材

菊水化学工業が創業した1960年代は、VOCを多量に含んだシンナーで希釈する溶剤系塗料が一般的で、多くのメーカーが取り扱っていた。近年では、環境配慮のニーズから水系塗料への置き換えが進んでいるが、外壁への密着性や乾燥スピードといった性能・施工性は溶剤系塗料の方が優れている、というのが今なお根強い通説だ。それでも、菊水化学工業が水系塗料にこだわるのは「みんなのために よりよい商品 ゆたかな愛情」という社是と、それに基づく創業の精神にある。

「当社は、社是をもとに創業当初から環境・社会・経済に配慮した製品の開発・製造・販売に努め、地域の未来を創造することに貢献し、ともに持続可能な社会の実現を目指してきました。さらに現在では、水系塗料の普及に加えて、製造過程で発生するCO2を減らす努力を続けています」と担当者は語る。

その言葉通り2023年には、産業副産物として排出されるフライアッシュや高炉スラグを利用したジオポリマー塗材と、CO2削減を可視化できる低炭素対応型塗料という2つの製品開発に成功し、販売を開始している。今後は溶剤系塗料から水系塗料への置換を進め、2030年までに自社製品の90%以上を水系製品にすることを目標に掲げ、その達成のため環境負荷の軽減と気候変動に役立つ製品開発を進めていくという。

海外でも、塗料によるVOC排出の抑制に向けた取り組みが行われているが発展途上国では今でも溶剤系塗料が主流となっている。先進国ほど安全基準が決められていないため、こうした溶剤系塗料による環境・健康への悪影響は計り知れないだろう。そのため、菊水化学工業のような考えをもった企業が環境・健康に配慮した製品を開発し、世界中で普及すれば、塗装現場のSDGs達成の一助になるだろう。

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米財務長官「日本との貿易交渉は実質的」、インドとの

ワールド

トランプ氏、恒久的停戦望む ロシア・ウクライナ情勢

ワールド

ロシア、5月8から3日間の停戦を宣言 対独戦勝記念

ワールド

新教皇選出のコンクラーベ、5月7日開始 バチカン発
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    【クイズ】米俳優が激白した、バットマンを演じる上…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中